猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2023-01-01から1年間の記事一覧

河童の日々遊山 ぬりもの

「2021年秋『ともにつくる』が放送された。 フランス人シェフが輪島塗に捧げるひと皿を ぼくはフランス料理に捧げる漆器を共につくりあげた」 ◆待っていたこと 山に行かない休日に友人が営むギャラリーの待ってた塗師の展覧会を訪れた。 いつも最終日なんだ…

tochikoな山歩き 清秋

トウダイグサ科のシラキはカエデ類より一足早く色づきます。 色濃くなり始めています。 この辺りの標高では木々がゆっくりと葉緑素をたたむ頃 足元で群生していたトサノミカエリソウは 花穂の下部は結実の準備をはじめマルハナバチが後から咲いた残り少ない…

晩秋に入る三辻遊山 山桜

本州付近は移動性高気圧に覆われ北日本や東日本は晴れる所が多くなる。かわって西日本の南海上に低気圧が発生西日本太平洋側を中心に雨が降りはじめる。 ◆空を見る翌日は前線を伴った低気圧が東日本の太平洋側を東進に伴い日本海にも別の低気圧が東進し太平…

仲秋の加持ヶ峰遊山 秋風

「真名井」は神聖な井戸のこと。先人が清水が湧き出すとして祀り修験場とした深山の滝に山道は至る。 ◆真名井の滝頭 ここが修験場であったことを今に伝える鎖場に架かる階段を登り真名井の滝の滝頭に上がった。 滝頭の上にはもう一つの滝がありその岩盤に絡…

仲秋の加持ヶ峰遊山 落葉

「今年もどっさり葉っぱ」 トチは沢山団栗落として沢山の葉も落としてくれる。 土中の命も喜んじゅうろう。 ◆定福寺奥ノ院 6億年前出来た多細胞生物は「利他的」で生き残って来たが200万年前大脳が1000ccを越えた人間だけが「利己的」になった。 結果「力が…

仲秋の加持ヶ峰遊山 団栗

落差20mの滝を成す大岩の右岸の岩盤を登り山道は龍王の滝頭に上がる。 ◆滝頭のこと 龍王の滝頭には上部二段の滝が流れ込む大きな釜があり四季折々自然風景を見せてくれる。 「ここの紅葉はまだ先」 紅葉が落葉となって流れやがて白い冬に覆われる。 今年も楽…

tochikoな山歩き 森のあしあと

あの日かよう道に落ちていた木の実が少なくなり 見上げる空が少し広くなったように感じました。 「栃は終わりやね」 あんなに沢山あったドングリを探すのが難しくなってきました。 勝負が早い栃の実は早々とこの森の命に継がれ その森の順番が来たかのように…

仲秋の加持ヶ峰遊山 嫁菜

「秋の空色」 車を置いて見上げた山頂は寒気の訪れを告げる高層雲の下にあり雲の切れ間には澄んだ青空が見えた。 ◆登り口のこと 標高約1000mの静かな登り口。気温14℃は2週間で8℃も下がって今秋の気温変化の激しさを体感した。 今年はこんな年ということだな…

仲秋の加持ヶ峰遊山 稲木

低気圧が発達し東に進み北日本では荒れた天気となる。日本上空の等圧線の間隔は狭く強風や高波に注意が必要だろう。 ◆空を見るその後上空の気圧の谷が東海上に停滞。日本付近はシベリア寒気を運ぶ偏西風の場が続き寒気が南下しやすい状態が継続しそうだな。 …

秋分の三辻山遊山 秋光

「観て!絵に描いた茸!」 柔らかいスギゴケに包まれるように傘を開いたいい感じの瑞々しい初茸。 ◆命の森 森には兆を超える命がいて複雑に絡み合って生きているがその繫がりは今も解っていない。 いつか見える時が来るのかなぁ? ◆命の絡合 外来や帰化生物…

秋分の三辻山遊山 秋雲

「アキノギンリョウソウ?」 葉緑体を持たず菌類と共生するギンリョウソウに似る腐食植物。花期が晩夏から秋になる多年草。 ◆稜に乗る 植林に潅木が混ざり笹床が現れれば稜線は近い。 同じく笹床に多いよな。 ◆赤良木園地 北面の植林を出た主稜線は乏しい土…

秋分の三辻山遊山 野菊

杖塚で森が開け見上げた秋の空を流れる下層の雲は形を変え北西に流れている。 昼までは大丈夫だな。 ◆空を観る処 昭和の頃の自然休養林。公園施設に流れる風は秋のもの。 今季の秋一進一退は終わりかなぁ。 「土佐水木の実も 雫を纏えば美味しそう」 水は命…

秋分の三辻山遊山 山霧

「秋空が見えだした」 登り口に開いた空の雲間に青空が見え始めた。 流れも遅いようや。 ◆登り口のこと 登り口の標高は約900m気温20℃はこの時期として高いが風は涼しく感じた。 「雨上がりやきね」 「釣り舟は吸いよいろぅ」 高く咲くシシウドにも雀蛾が管を…

tochikoな山歩き トサノミカエリソウ

かよう道にいっせいに開花したトサノミカエリソウ クサアジサイの葉に紛れてその存在を見逃していた。 シソ科でテンニンソウ属山地の木陰や谷間に群落をつくるごく普通の小低木九月から十月にかけて、薄紅色の花が下から順に咲く。 京都大学の小泉源一郎博士…

秋分の三辻山遊山 聳つ

大陸から低気圧や前線か接近。湿った空気の影響もあり日差しは届いても天気は下り坂へ向かう。 ◆空を見る 前線の南下に伴って日本海側は雨。四国の太平洋側も南の暖湿流が入り大気が不安定に午後から雨が降りやすい。彼岸過ぎても夏と秋を入れ替えてきた偏西…

彼岸の奥物部の森 焚き火

さて ここで終わり。 冬山を主とする僕らの暑い時期稜線に上がらない静かな遊山も目的の一つだ。 ◆庵を結ぶこと 森の母の元からヌル谷のナロに帰ってねぐらと宴の準備をした。 「寝袋忘れても お酒は忘れまへん」 まずは乾杯やな (^_^) 僕らのザックが大きい…

彼岸の奥物部の森 木の子

伏流したヌル谷に薄雲が透かした木洩れ日が美しい模様を描いていた。 ◆森の中のもう一つの森 この森の平坦地は山の一部が安息角越えて落盤した渓に流れ込んだ土砂が堆積して出来た山の中の平坦地。白馬岳の双耳峰も同じ落盤で出来た地形。 今日はここで泊ま…

彼岸の奥物部の森 秋の風

「汗掻かなかったね」 両側の山が迫った林道は古の峠に上がる終点に近づき吹き上がる風は秋になっていた。 ◆渓へ下る 終点手前の道別れで一休みし林道を別れ渓へ下る山道に入り奥物部の森の懐へ分け入った。 「ここ雪の時 しんどかったです」 「吹き溜まるき…

彼岸の奥物部の森 木の実

登り口の開いた空には秋空の下に夏の積雲があった。 動きは遅いが午後は用心だな。 ◆登り口のこと 「降りそうですかぁ」 登り口の気温は20度随分秋らしくなってきた。 入って決めようか。 ◆林道のこと さあ 行こうか。 奥物部の森への山道は古の峠に続く林道…

tochikoな山歩き 半月

今日は小望月月の出が早いから東の空に浮かぶ月を 眺めて帰ってきました。 先週の秋分の日上弦の月を眺めるはずだった森泊では月を望むことはできなかったけれど ランタンの灯りが優しく森を照らしてくれました。 月の出が昼間だったから西に沈んじゃったん…

彼岸の奥物部の森 茶の花

秋雨前線が南下し日本海側を中心に日差しの届くものの前線の影響を受ける九州南部や上空の気圧の谷の通過によって大気が不安定な関東を中心に雨の可能性がある。 ◆空を見る 翌日は広く高気圧に覆われ西日本から北日本で秋晴れとなる。ただこれはあくまで計算…

白露の加持ヶ峰遊山 苔の花

修験場であった事を伝える鎖場に架けられた階段を登り真名井の滝の頭に上がった。 ◆滝頭の風景 滝頭の上の二段の滝が見せる四季折々日本画の様な風景が僕の楽しみの一つだ。 いい枝振りだよなぁ。。。 苔の花が咲いた。 苔の花は実際は花ではなく雌雄の生殖…

白露の加持ヶ峰遊山 紫の花

梶ヶ森を望む山麓歴史を1300年溯る定福寺。その奥ノ院の宿坊遍照院でいつも腰を下ろし休憩する。 ◆深山のお寺 「気持ちいい 汗を掻いたね」 遍照院の軒下は21度。次はもっと涼しいだろうな。 「栃の実が出来ちゅう」 休んでいる間もボトボト落ちてくる。 殻…

白露の加持ヶ峰遊山 木の実

「ここから見る 滝もえいでね」 落差20mを流れ落ちる滝。 いい風景だよなぁ。 ◆大岩を登る 龍王の滝が流れ落ちる地形を成す大岩の右岸を登り滝頭に上がる急な斜面を上がる。 「これを 森の花火という」 栃葉人参や天南星が今年の実を結んでいた。 ◆滝頭の上 …

白露の加持ヶ峰遊山 薄の花

「斜陽になった」 地軸が秋に傾き始めて暖色系の陽射しが射してきた。 森も秋に向かい始めたな。 ◆登り口のこと 今日も静かな登り口。気温22℃は晩夏の頃の気温で気持ちいい夏の汗を掻けそうだ。 彼岸に入ればアブも終わる。 「ススキが咲いた」 イネ科で稲に…

tochikoな山歩き 木の祭り

まるでお祭りのような道でした。 足元の木の実の周りは動物の足跡ばかりで 共に生きる命たちの冬支度を手伝っているようでした。 奥の院で休憩していると「ドン!!」崩れかけたトタン屋根を叩く大きな音が 下を見ると栃の実でした。大きさは養える樹木の風…

白露の加持ヶ峰遊山 稲の穂

秋雨前線が日本海に停滞東北では雨の降る所がある。秋雨前線の北南に高気圧があり北は秋、南は夏の空気となる。 ◆空を観る 地軸が秋に傾きはじめて土佐は朝夕涼しくなってきた。 「暑さ寒さも彼岸まで」彼岸の入りに寒気が降りてくる。 この夏と秋の押し合い…

中秋に入る三辻の遊山 蟬時雨

「見て! 珍しい三つ子」 今年も栃は実りを迎え沢山落としてくれるだろうな。 ◆木の下のこと 「このブナも 大きいでねぇ」 今年ブナの実は少ない様で生き物は冬備えしっかしなきゃな。 「団栗の殻と 足跡がいっぱい!」 栃の木の下は多くの命が集まる処。 ◆…

中秋に入る三辻の遊山 山の霧

近道が三辻山登山道に入り植林の合間に笹床が現れたら工石山から続く主稜線は近い。 ◆稜に乗る 「モミジガサの 実やろうか」 植林と自然林の間の環境には極相林に入れない命が根を張れる。 植林を抜け稜線に乗った山道は土壌が乏しい稜線に根を張れるリョウ…

中秋に入る三辻の遊山 秋の雨

山間部の複雑な地形は湿った空気がぶつかりやすくぶつかれば雲となり雨が降る。 これも局地的な収束帯。 ◆杖塚のこと 「傘要らんくらいやね」 昭和の自然休養林の公園施設杖塚に降る雨は優しかった。 開けた杖塚の空を流れる雲は緩やかで時折薄陽が射してい…