猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

tochikoな山歩き 蝉便り

その先の若い森からハルゼミの鳴きが聞こえ 谷からはアカショウビンのヒョロロロ・・・・・という独特の鳴きが響いていました。 歩みを進めるごとに薄暗くなった森から聞こえるざわざわとしたハルゼミとどこか寂しいヒグラシ 近くなったり遠くなったりのアカ…

夏至に入る加持ヶ峰遊山 花合歓

低気圧がオホーツク海に移動。低気圧から延びる前線が南下して西・東日本を中心に雨を降らせ南から暖かく湿った空気が流れ込む。 ◆空を観る 日本に蛇行していた偏西風は北上。寒暖ぶつかり合う前線を伴う低気圧を押し上げた暖かい南の太平洋高気圧が日本を覆…

梅雨に入る三辻山遊山 梅雨入

初めて捉えたウグイスの姿。 スズメ目ヒタキ科の漂鳥。春告鳥。「法、法華経」という聞き做しから「経読み鳥」ともいわれている。 ◆経を囀る 警戒心が強いウグイスでも今日の変化の風音と流れる雲で私たちの気配に気付かなかったか。いや解っていたのかもし…

梅雨に入る三辻山遊山 霧の中

この赤良木園地が造られた昭和の頃は日本は景気がよくて挙って行楽地に押しかけていた。 なぜこんな日本になったのか。 ◆三辻山頂 家から3時間足らずで標高約1300mの山頂に立てるこの趣味は一生続けられそうだな。 「ここも真っ白けっけ」 頭を雲の上に出し…

梅雨に入る三辻山遊山 熊ん蜂

「イボタに熊ん蜂」 大形のミツバチ科のハチ。体は黒色で胸背は黄色の毛に覆われ体に毛が密生して熊を思わせる。 ◆小雨降る山の広場蜜や花粉を食する草食性の熊ん蜂は大きい体をしているが性格は温和しく私も見かけると柔らかい体毛に触れるが今まで射された…

梅雨に入る三辻山遊山 瓜の木

「誰もいないの当たり前かぁ」 静かな登り口の気温は20℃。今までの小雨は止んだようで空を覆う雲も明るくなった。 ◆分け入る 「ここも茂ったねぇ」 三辻への山道は林道から始まる。雲は不安定そうだが雨は上がりこの天気ならブヨも少ないだろう。 ナルコユリ…

tochikoな山歩き 老鶯

すっかり薄暗くなった小径にガクウツギのガクが並んだ灯籠のように白い そんな灯りに導かれ 小径を抜けたところで 近い!近い!姿の見えない鳥は鶯でした。諦めかけていたところに「おった!」 = 老鶯 = 季語・老鶯/ろうおう 夏の鶯をいう。 老鶯は漢詩に…

梅雨に入る三辻山遊山 山の雨

梅雨前線が九州南部まで北上し西日本太平洋側はすっきりしない天気。南海の湿った空気は西から吹き込むので雨雲は寒気に接する前線北側に発生する。 ◆空を読む 今年の特徴とも言える偏西風の蛇行により春から初夏の性質が異なる3本の偏西風が接近し日本付近…

雨上がりの加持ヶ峰 結

「このリョウブもふといで」 山道は吉野川の支流佐賀山谷川に沿い源流へ登り大木が護る原生林に分け入る。 ◆巨木の森 先人が神と崇めた深い渓は自然領域で人は修験者以外入らずかつて斧を入れたことのない樹々が根を張り枝を差し交わす森がある。 Y'sのお気…

雨上がりの加持ヶ峰 転

この山の特徴でもある落差20mの滝を成す大岩の右岸を巻いて滝頭に上がる。 ◆滝頭のこと 「この風景がえいねぇ」 滝頭の上にはこの大岩が沢を堰き止め出来た釜がある。 ここは四国山地の箱庭。 ◆若い森 山道は佐賀山谷川に添う若葉が萌える自然林を登り私はこ…

雨上がりの加持ヶ峰 承

「これは山桑やな」 桑はクワ科の落葉高木で実ははじめ赤色でやがて七~八月に紫黒色に変じて熟す。多汁で甘い。 ◆分け入る 「梶ヶ森は雲の中」 いつもの登り口でY'sとマタギKさん歯医者さんと落ち合う。変化の風吹く気温15℃のスタート。 「気持ちよぉ 歩け…

雨上がりの加持ヶ峰 起

梅雨前線が本州に近づき西日本、東日本の太平洋側を中心に雨の降る所が多くなり特に九州南部は局地的に激しい雨の降るおそれがある。 ◆空を読む 前線上の低気圧は東に離れ梅雨前線はいったん南下して四国は山も日差しが届くだろう。 週明けは梅雨前線が北上…

tochikoな山歩き 樹木と人と

いつもの植林を抜けると比較的樹高の低い林が続きます。 沢沿いである日見つけた炭焼釜の跡は 山猟師Kさんに見せたい場所でした。 「炭を焼くには水も要るがよ」全てが利に適っている。 この場所が人間と共に過ごした場所なのだと改めて眺めるといつもと違っ…

河童の日々遊山 ババグーリの夏

涼しげなDMに誘われて山に行かなかった雨の休日に友人のギャラリーを訪れた。 ◆天然素材 この夏のババグーリコレクションは 暑い日々に元気をくれる鮮やかなカラーが特徴。 ざっくり着られるシャンブレーリネンのドレスや かすり糸の格子柄ブラウス 小さな刺…

芒種に入る奥物部遊山 飛沫

「花終わったみたいやね」 今年もたくさん咲かせた森のシャンデリアは大地に降りて大木の根元に花筵が敷かれていた。 ◆Mothertree tochikoが森の母と思う数百年生きた栃の大木の根元から森のまほらを成した渓水が湧き出す。 私も森の母だと思っている。 大海…

芒種に入る奥物部遊山 空蝉

杣が架けた橋を渡って森のまほらに向かう山道はまるで渓の音と共に蟬時雨の中に登る様だった。 ◆登り返す 白髪山の北面からカヤハゲへ。この四方を高山に護られたこの森で私達は人生の半分を過ごしたのだろう。 帰る度に私達を迎えてくれる樅の大木は昔と何…

芒種に入る奥物部遊山 緑蔭

陽が高くなり木もれ日が射す。 沢胡桃はクルミ科の落葉高木。水を好み沢など山間の湿地に多く4~5月頃淡黄色の花序を垂らす。 ◆木洩れ日 「コントラスト強いね」 風景を撮るのに調整を要するがこの時期の私の好きな一期一会。 全ての命の源は太陽。 綺麗だよ…

芒種に入る奥物部遊山 卯木

二十四節気は芒種に入る。 新暦六月五日ごろにあたる。禾(のぎ)のある穀物を播く時期の意から。このころから田植えが始まり梅雨めいてくる。 ◆静かなこと 登り口の気温は17℃。多少寒気の影響もある様で風が涼しく快適に歩けそうだ。 「暗うなったね」 林道…

tochikoな山歩き 空蝉

かよう森で蝉の抜け殻を見つけました。 歩きはじめたとき鳥の囀りと沢の音の向こうから微かに聞こえていたハルゼミの音は どんどん近くなりました。 今年もその時が巡ってきました。 辿り着き 森の母から見上げると 葉陰の向こうでゲラのドラミングが聞こえ …

芒種に入る奥物部遊山 雨乞

低気圧が遠ざかり寒気も弱まる。このため西日本や東日本を中心に晴れるところが多く汗ばむ暑さとなる。 ◆空を見る このところ続いている気圧配置の東西変化が遅く天気や気温の変化が激しいのは偏西風の南北の蛇行が大きいから? 「青々してきたで」 入梅が待…

小満の加持ヶ峰遊山 若葉

「マンネングサ咲いた」 山道は急峻な渓を登り行場の一つ大岩の間を細く落ちる落差12mの真名井の滝に至る。 ◆真名井の滝「真名井」とは神聖な井戸のこと。古来日本人は清水湧き出すところを神聖な場所として大切に祀ってきた。 稜線を持ち上げる岩盤に架か…

小満の加持ヶ峰遊山 落花

「こっから見える!」 山地に自生するトチノキ科の落葉高木。5月頃黄白色の花を円錐花序に密集してつける。花は蜂蜜、実は栃餅や栃粥、木は良材となる。 ◆深山の花見 奥ノ院の宿坊に腰掛けて観てると風が吹く度ポトポトと花が落ちてくる。この栃も彼女を落花…

小満の加持ヶ峰遊山 山雀

この山の特徴でもある落差20mの滝を成す大岩の右岸を巻いて滝頭に上がる。 ◆滝頭のこと 「この風景がえいよね」 滝頭の上にはこの大岩が沢を堰き止め出来た釜がある。 ここの四季はいいよ。 ◆渓のこと 山道は吉野川の支流佐賀山谷川に沿い源流に向かい大木が…

小満の加持ヶ峰遊山 川蝉

登り口の空には巻雲があった。 上層雲に属する繊維状にかかる白雲。中緯度帯では上空5~13kmに現れる極めて小さい氷の結晶から成る雲。 ◆雲を観る 「今日も誰もいないね」 登り口の気温が18℃あるのは乾燥した大陸生まれの大気が澄んで陽射しが強いからだろう…

tochikoな山歩き 栃の花

かよう梶ヶ森の道は沢沿いにトチやサワグルミが多く生きています。 すっかり緑が濃くなったなぁ。。 この時期に見られる森のシャンデリアに期待が膨らみます。 おっ こずえの先端よりも花が上に出る樹種はそんなにないように思う落花で気づくのはいつものこ…

小満の加持ヶ峰遊山 早苗

低気圧がゆっくり東に進み北日本付近を通過する見込み。北海道を中心に天気が荒そうだが西と東日本は晴れる所が多くなる。 ◆空を見る日本は晩冬~夏の空気を運ぶ複数の偏西風が押し合う間に大陸南部の暖かく乾燥した空気が流れ込む不安定さが続いている。 ◆…