猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬至の奥物部遊山 地吹雪

林道は遙か下方に流れる長笹谷を溯り東の尾根に登り南に見えるカヤハゲの森が迫る。 ◆稜線のこと 「カヤハゲも吹きゆうね」 渓へ急峻に下る山腹を巻く山道の東方の空にカヤハゲ山頂部が現れる。 雲の流れが早くなったな。 白髪山から北に座す三嶺に延びる稜…

冬至の奥物部遊山 つらら

今日も静かな登り口。気温は-4℃と平年並みで冬装備で歩きよい気温だった。 ◆分け入る 「雲が早いね」 これは変化の風で今頃稜線は強風だろう。 ボクらはこっちがいいな。 林道を歩きはじめた。 林道の地面は凍っていたが新雪10cmは冬靴が噛むのでまだアイゼ…

冬至の奥物部遊山 行く水

北日本周辺には複数の低気圧があり日本列島の上空には強い寒気が流入。日本海側を中心に広く雪が降りまた等圧線の間隔が狭く風が強い。 ◆空を見る 前日高知市は朝に観測史上1位積雪14cmを観測して雪は降り続き翌朝ようやく雪は止んでくれた。 ただ今週末は西…

冬はじまる奥物部の遊山 冬空

四方を鋭く切り落とした標高約1700mの白髪山の頂はなだらかな笹原で迎えてくれる。林道が出来る前からそうだろう。 ◆空に出ること この四国山地南の前衛峰は荒れると風雪が強く叩きつけ晩冬に入ると南斜面が故に積雪によっては雪崩の巣となる。 ◆稜線の雪の…

冬はじまる奥物部の遊山 寒雲

樅帯を抜けた山道は標高約1700m奥物部白髪山の笹に覆われた山頂部に出る。 ◆雲に入ること 四国山地南端にある白髪山の西は高知市から南に広がる太平洋まで見渡す事が出来る気持ちよい眺望は今日は吹き上がる寒雲の中にあった。 「雪が大きくなった」 降る雪…

冬はじまる奥物部の遊山 積雪

「笹は雪の中で 冬眠するのです」 これは雪崩と共に天の頂に昇った山の先輩から教えてもらったこと。 ◆雪のこと 私は四国でも-25℃を観測した。その真冬の外気から遮断された雪の中は常に零度ほぼ一定に保つことが出来る。「雪室」はそれを活用した北国の知恵…

冬はじまる奥物部の遊山 初雪

奥物部の森を一望する標高約1200m中内台に上がった。気温は1℃だが雨は雪に変わった。 ◆見定めること いつもの林道はまだ雨が混じりそうだから今日は白髪山に上がろうか。 「今しかないきね」 土佐にある登り口で最も高い冬の白髪山の登り口は雪に閉ざされ上…

tochikoな山歩き 氷音

奥物部の最終集落から徐々に標高を上げる雨の林道は やがて霙が混じり始め 雪に変わりました。 山の天気はこのようなものですが出会う度に感動します。 笹や残葉にカサカサと雪が当たり微かに氷の音が聞こえます 雪が積もれば聞こえない音 氷の一期一会でし…

冬はじまる奥物部の遊山 雪雲

低気圧や前線が日本付近を通過し全国的に雨や雪が降る。低気圧や前線の通過後は西回りで強い寒気が流れ込むだろう。 ◆空を見る 「-5℃でも雨が降り 5℃でも雪が降る」 山のお母さんが教えてくれたこと。高知の朝9℃で標高1500m以上だな。 ◆早駆けの朝 その朝の…

河童の日々遊山 ふゆ日日

「今年もありがとう」 「来年もまたよろしく」 ギフト、自分へのご褒美 家時間の愉しみを冬の日日に集めました。 ◆年の市 友人へのお歳暮と生活道具との出会いを求めて友人が営むギャラリーの今年最後の企画展を訪れた。 ◆今年のお礼に 消しゴム版画カレンダ…

つらつら山の三辻遊山 結

「駒ちゃんが送ってくれた リンゴ食べませんか」 「食後の珈琲をどうぞ」 この持ち寄りが気持ちいい。 ◆山頂のこと 家からゆっくり2時間半。標高1100m三辻山山頂に立つ。 「新鮮ですわぁ」 そちらは瀬戸内海が見えるでしょう。 「またそれとは違いますから…

つらつら山の三辻遊山 転

「ここのグイミ美味しいですよ」 茱萸は日当たりの良い川原や原野に群生するグミ科の落葉低木。夏に実が生るものと秋に生るものがある。 ◆峠の風景 杖塚を下り古の杣道に入り赤良木峠に降って風景が開ける。 「雲海や!!」 「どうしてここだけ雲海?」 ダム…

つらつら山の三辻遊山 承

若い姫沙羅が枝を伸ばす雲一つない澄み切った冬の空が穏やかな天気を約束していた。 ◆真澄の冬空 「手袋いらんろうね」 静かな登り口の気温7℃はこの時期としては暖かい方だが12月は寒暖繰り返し冬に向かう頃。 「三辻山は1年ぶりですか」 そうですね。今年の…

tochikoな山歩き 歩

この頃よく思うこと 山歩きの目的は絶景を見るためでも達成感を味わうためでもない 野鳥やまたとない自然現象との出会いがあったなら料理で言えばスパイスのようなもの 出会えて良かった! 装備を調えて自然の分け入れられたら幸せ 無理をせず共に歩くことが…

つらつら山の三辻遊山 起

移動性高気圧が東海上に離れ大陸の高気圧との気圧の谷に入る西日本は日差しが届くだろうが地形によって天気が崩れるかも。 ◆空を観る 今冬の偏った偏西風蛇行によって日本の北に巨大な寒冷渦が停滞する中来週にかけて後続の寒冷渦が次々合流し本格的な寒波と…

小雪の三辻山遊山 冬枯れ

落葉して現れる祠を祀る大岩。その脇を通る山道を支える石積。そんな長く人が関わった跡がある山や道を私は気持ちよく感じる。 ◆森の中のもう一つの森 日本列島に辿り着いた祖先は災害も多いが恵みを与えてくれた自然と祖先を神として敬ってきたがそれは信教…

小雪の三辻山遊山 冬の空

冬の澄んだ空気に誘われて笹と馬酔木など中低木に覆われる三辻山の山頂に上がることとした。 ◆山頂のこと 「家から2時間」 標高1100mの三辻山山頂からは香野平野や浦戸湾が一望に見渡せこの山域主峰の工石山は指呼にある。 雲の切れ間から下る陽射しで輝いて…

小雪の三辻山遊山 霜の朝

自然公園として整備されたこの山域は人が植えた木が多いがその後降りた種が根を張りだして互いに絡み合ってきた様に感じる。 ◆杖塚のこと 「霜が降りちゅう」 昭和42年広場として整備された杖塚は空が開くため放射冷却の影響を受けやすい。 小雪に入ったきね…

小雪の三辻山遊山 帰り花

「ヒメシャラは越冬芽」 森の落葉時期はよく目に付く黒を帯びた赤褐色の幹の姫沙羅は赤良木と呼ばれこの峠の名となった。 ◆分け入る 今日も静かな登り口の気温4℃この時期としては普通の気温だが風は弱く陽が射せば暖かいかな。 ◆林道のこと 三辻山への山道は…

tochikoな山歩き まとう

通勤途中川面に蒸気霧が見られるようになりました。 かよう三辻山も落ち葉の道に朝露が降りているようで カサカサという落ち葉を踏む音が懐かしく感じます。 しかし落ち葉でなければ陽を受けた葉も輝き返り花とともに彩りを添えていました。 樹がまとってい…

小雪の三辻山遊山 十二月

日本は高気圧に覆われて日差しの届くところが多いものの北日本は天気図上には書かれていない低気圧や前線で雪や雨の降る所がある。 ◆空を観る 日本の季節を二分する寒気は現在北米と日本に別れ南下している。これは次の寒波が早いということで上空ほど強く流…

河童の日々遊山 挿し花

山に行かない雨の休日。tochikoと個展が終わった友人のギャラリーを訪れた。 ◆かようこと こちらのオーナーとは20年以上の付き合いになり買うものがなくても時々訪れお喋りだけで帰ることもある。 「オーナーはお花で 来るのは2時すぎますよ」 その気負いの…

小屋閉めの剣山遊山 山の荷

「どう 降りそうな?」 西日本第二の高峰剱山の標高1955mの山頂部に出る。 日暮れまで大丈夫だろう。 ◆山頂のこと 「折角来たんやから」 山頂に行くというtochikoとTommyさんはここで見送って独り吞んでるY'sの元に降りた。 ◆集うこと 早いですね! 私が小屋…

小屋閉めの剣山遊山 枯れ山

岳樺の森から落盤帯を横切り太鼓岩の脇を登り尾根に出る。この大岩には行場の洞窟があり最深部に不動尊が祀られている。 ◆尾根に出る 見ノ越から南に山頂へ登る西島尾根に上がり山小屋が見えた。 さあ 帰るときやなぁ。 三嶺上空の低層雲は穏やかで寒暖の押…

小屋閉めの剣山遊山 山眠る

「流石に静かですね」 標高1400m見ノ越登山口でTommyさんとY'sと落ち合った。気温は9度で今頃なら暖かい方だ。 ◆登り口のこと 「少し山歩きしてから行きます」 私達はそんなY'sを見送って登山リフト駅センターに開店したクラフトビール醸造所に立ち寄った。 …

tochikoな山歩き 冬の囀り

チチチ・・・囀りの聞こえる枝の先にシジュウカラを見つけました。 以前はここでアトリに出会ったっけ おっとヤマガラも! 行く先に温かい小屋と笑顔が迎えてくれる山から降りてきた野鳥が出発を見送ってくれました 山小屋でも装備は充分たまらなく安心感に…