猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春分の神隠し遊山 火を囲む

女性陣が集めた薪で安定した熾火を作るのは男の仕事。これは「差別」ではなく「役割分担」私達は「割り勘」より「持ち寄り」だ。 ◆森の宴 日暮れまでたっぷり時間はあるちょっと早いけどゆるゆる宴を始めようか。 ここでも女性は元気でいい。 ◆口福時 熾火が…

春分の神隠し遊山 木霊の森

「はぁ なるほど ここを入るんですね」 そうですよ。どうぞご案内いたします。 ◆神隠し かつて炭焼きが使った山道は今は通る人もなく山に還ろうとしてる。しかし忘れられたその道の奥にこの森の「まほら」がある。 「平地があるんや」 いえいえまだ奥ですよ…

春分の神隠し遊山 大樹の森

この奥物部の原生林にある伐採のため作られたこの林道は30年前はこの森を切り出していたが林業衰退により本来の目的を失った。 ◆森に入る その林道の終点手前から長笹谷へ下る山道がはじまり長く通った奥物部の森に分け入る。 ◆渓を渡る 何度も土石流に吞ま…

春分の神隠し遊山 寒風の道

西熊山の稜線に雪の縁取りがある。東西に尾根を張るこの山域の北面には先週降った雪が多少残っているようだ。 ◆兆すこと そんな韮生林道の木々はまだ冬枯れの風景にあるが越冬芽が膨らみはじめたようで森全体が赤みを帯びてきた。 ◆極まること 寒風吹く林道…

tochikoなかよう道 街道の春

春分に入りいよいよ本格的な春の到来 芽吹き前の山に淡い桃色がヤマザクラの存在を表してきました。 早咲きの桜も満開でつい車を停めて眺めたくなる春の到来です。 今年はコブシも目立ち優雅な花びらが枝の先で舞っています。 峠のトンネルを抜ける かよう道…

春分の神隠し遊山 分け入る

低気圧が発達しながら北海道付近を通過し北は暴風。西日本は未明に雨か雪が降るが朝には回復しているだろう。 ◆空のことただ四国は晴れたのちも北からの等圧線の間隔は狭く高山は風が強く残るだろう。 ◆落ち合うこと 森で焚火でもするか。そんな休日は奥物部…

花冷の奥物部遊山 名残の雪

今日は眺望を得られなかったが明日は晴れて美しい雪峰たちを堪能することが出来るだろう。 ◆一期一会 しかし樹々に咲く雪花は陽射しや風で散ってしまうからそれを楽しむことが出来たのはこの日ならではの事だったろう。 ◆かえる道 しばらく下ると時々雲が切…

花冷の奥物部遊山 稜線の雪

白髪山の山頂はこの急斜面の上にあるが雪も少なく道は葛籠折れで登りに労を要さない。 ◆雪が鳴る 降ったばかりの淡雪は踏む度にキュッキュッと音を立て気持ちがいい。これはこの時期には珍しいことで今年の一期一会と言っていいだろう。 ◆山が留める 雪雲の…

花冷の奥物部遊山 尾根の雪

白髪山は東西に尾根を張り東側は谷底に深く切れ落ちて気圧差により風が強く吹き上がる。 ◆尾根の樹々そんな風の強い所には樅がいて他の樹々を風傷から護っているが今日の尾根は穏やかだった。 ◆尾根の森 風もなく気温も0℃で軽い春の雪は枝に留まり夢の中のよ…

花冷の奥物部遊山 雪花咲く

標高約1450mの峠にある誰もいない白髪山登山口は一面真新しい雪に覆われていた。 ◆静かなとき 「今日も貸し切りやね」 下界は雨。この天気予報で来る人は少ないろうねぇ。 ◆待つとき この時はまだ雪が降り続き今出るとカメラを出すのが大変だろう。 もうすぐ…

tochikoな山歩き 淡雪

登山口付近の杉林にもミツマタの明かりが灯り始めました。 それはこれから出会う淡雪のようでした。 標高を上げるにつれ 芽吹いた柳の向こう側が白く染まっていました。 空から降り細い枝に着地した淡雪は 赤い芽を守るように包んでいます。 動かない雪が静…

花冷の奥物部遊山 雲に入る

植林に三椏が咲きはじめた。三椏はジンチョウゲ科の落葉低木。和紙など繊維植物として栽培される。枝は三つに分かれ黄色の筒形小花が咲く。 ◆林道のこと 最終集落を過ぎ春が咲き始めた西熊林道に入り雨はいったん止んだ。 雲の切れ間から時折覗く青い空が変…

花冷の奥物部遊山 雲を追う

九州沖で発生した低気圧が東に進み四国は夜半から朝にかけ高度1500mに0℃の寒気が流れ込み冷たい雨が降るが昼には止むだろう。 ◆空のこと翌日は通過した低気圧の後から高度1500m-6℃寒気が流れ込む寒の戻りとなるが遅い時間になりそうだ。 今回は雨上がりに…

河童の日々遊山 黄色い箱と黄色い絵本

動物と暮らすといろんな知恵を学んだり 優しくなれたり頂くことがいっぱい。 トラネコボンボン・中西なちおさんの原画展。 みなさんと一緒にワクワクしたいと思います。 ◆心の休養日 関節休養の休日に友人が営むギャラリーの春の企画展を訪れた。 ◆暮らしの…

啓蟄の峠道遊山 三ツ辻山

嶺北の中心部土佐町からは樫山越えや赤良木越えなど1000m余山々を越える往還が古くから利用されてきた。 ◆山頂の風かつて様々な思いを胸中に早朝の深い霧の中を出立し往還の峠に立った山間の人々はどんな想いで太平洋を眺めただろう。 ◆思い出の中 「いや~ …

啓蟄の峠道遊山 稜線の森

峠で一休みの後もと来た道を引き返し三ツ辻山山頂を目指した。 ◆頂を目指す 元の道は南側の赤良木登山道と呼ばれ山頂を目指す道は北側を巻く山腹の道で手付かずの自然林があると言う。 ◆混生林 眼下に峠の北側にある嶺北の棚田が見えはじめる。 標高1000mを…

tochikoな山歩き 唄いはじめる

自然林の尾根道に差しかかったとき賑やかな唄いに包まれました。 見上げると野鳥の群れでした。 野鳥はこれから巣作りの季節春の唄が聞こえてきました。 この先には数十年前の記憶が蘇る東屋があり ひと登りしたところで太平洋を見下ろす山頂に着きました。 …

啓蟄の峠道遊山 樫山越え

今回登る三ツ辻山は隣の工石山の影に隠れて目立たない静かな山で訪れる者も多くはないだろう。 ◆埋もれること はっきりした記憶はないが私が登山を始めた頃この山が好きで仲間達ともよく登っていたがそれがなぜだかも思い出せない。 ◆目覚めること 「芽吹き…

啓蟄の峠道遊山 分け入る

西から前線が接近する。四国は午後から崩れるだろうから近場の低山がいいかもしれない。 朝もゆっくり出来るしなぁ。 ◆空を観る 翌朝の気象レーダーでは前線の雨雲はまだ九州付近にいる様子。これなら夕方まで持ちそうだ。 ◆記憶を辿る 空を観て決めた山は高…

雨水の国見遊山 雲の空

のぞみに食べさせたくてtochikoが持ってきた猪肉缶詰。 のぞみは猪猟もする強者だ。 ◆口福のとき 「一缶1000円やって」 のぞみも頑張ればお金持ちやんか。そんな笑い話も交える山上の食事は何を食べても美味しく感じるもんだ。 「カップ麺もね」 山で手の込…

雨水の国見遊山 雲の海

山頂直下の国見神社。先人は全ての自然現象に頭を垂れこの災害多い島国で生き抜いてきた。自然は思い通りにならない事を知っていた。 ◆山頂へ 予想が見事に外れていてもこれ程頂の風景に期待したことは今までなかったように思う。 ◆天に上がる 広大な雲の海…

雨水の国見遊山 雲の上

「逆光で綺麗なねぇ」 昨夜の雪は雨に変わったようで樹々の梢に雫が輝いていたがその雨は後に思わぬ風景を見せてくれる。 ◆稜の道 国見山の頂上部は標高1200mを超えるなだらかな稜線がある。 その亜高山の稜線には伐採を免れたブナなどの落葉広葉樹たちが根…

tochikoな山歩き 雲と霞

この山を知り毎年多く訪れている山ですが このような美しい雲と霞が織りなす風景は初めてでした。 北の瀬戸内海も南の山々も全て覆い尽くす雲に 空の変化が加わっていつまでも去りがたい頂上でした。 帰り道は 漂う雲の中に入り 紅葉樹を抜けると道はまた幻…

雨水の国見遊山 雲の中

四国山地北側にある独立峰国見山は東西に稜線を張る双耳峰で北の寒気をまともに受け止めるため雪質が良く霧氷も綺麗に昇華する。 ◆今冬のこと 今期北極の寒気は早くから大西洋と太平洋に流れたため今冬日本は雪が少なくなり平年よりやや暖かくなった。 ◆雑木…

雨水の国見遊山 雲の下

前線や低気圧が東進し西日本は太平洋側を中心に雨が降るが四国山地北側には雨雲は掛からず霧氷が期待出来るかもしれない。 ◆空のこと 微妙な気圧配置の週末tochikoとのぞみは四国山地の北側祖谷の独立峰国見山を訪れた。 本山郷に入るトンネルを抜け雲に覆わ…

浅春の家から遊山 結

家からゆっくり歩いて昼には標高306m山頂に立つ事が出来る。この日もすでに何組か上がっておりそれぞれの休日を楽しんでいた。 ◆海を望む山 広場に整備された山頂は江戸以前の豪族の物見櫓や大東亜戦争時に対空監視所があった南に太平洋を見下ろす眺望が広が…

浅春の家から遊山 転

ここは山火事を繰り返してきたがその灰は肥やしとなって肥沃な土壌となり私が子供の頃は春に山菜が沢山採れていた。だから山火事も生物多様性には必要かもしれない。 ◆街を見下ろす 足下に私の家も見える視野が開けた高見山から下る道。この高度感もまた気持…