落差20mの滝を成す
大岩の右岸の岩盤を登り
山道は龍王の滝頭に上がる。
◆滝頭のこと
龍王の滝頭には
上部二段の滝が流れ込む
大きな釜があり四季折々
自然風景を見せてくれる。
「ここの紅葉はまだ先」
紅葉が落葉となって流れ
やがて白い冬に覆われる。
今年も楽しみだな。
◆森が若いこと
山道は佐賀山谷川を渡り
先人が関わった若い森に入る。
温帯で海に囲まれた日本は
柔らかい自然の中にあった。
自然に襲われることなく包まれ
雨も多く植生も豊かで貝も捕れ
小動物は沢山いても猛獣はいない
自然と共に何万年も生きてきた。
祖先は永く見続けた自然を味方とし
調和し共生する里、村、国を造り
その共生が森の更新を促したことを
この若い森が証している様に思う。
◆信仰のこと
石門の様に二つ並んだ岩を通り
先人が見定めた信仰の域に入った。
10万年前の集団生活遺跡が見つかり
最古の文明は日本で誕生した事が解った。
その頃に信仰があったか解らないが
他国の善悪を諭してくれる神や信教でなく
日本人は柔らかく包んでくれる自然全体に
頭を垂れ共に生きる道を歩んできたと思う。
「胡桃が落ち始めた」
この域に根を張る胡桃、栗、梨などは
先人が植えたものだろうし山の暮らしは
縄文に近いものだったかもしれないな。
◆深山のお寺
苔むした古の石段を登り
深山のお寺の境内に上がる。
ここでいつも思うけど
祖先の関わりって賢いよなぁ。
「ヤマナシかじっちゅうで!」
この穴の主だろうと思う。
今年は豊作で喜んじゅうろうな。
「ヒメネズミ(笑)」
そんな秋に向かう森から
深山のお寺の奥ノ院が現れる。
一本していこうや。
団栗の落て飛けり石ぼとけ 為有