まるで
お祭りのような道でした。
足元の木の実の周りは
動物の足跡ばかりで
共に生きる命たちの
冬支度を手伝っているようでした。
奥の院で休憩していると「ドン!!」
崩れかけたトタン屋根を叩く大きな音が
下を見ると栃の実でした。
大きさは養える樹木の風格
山歩きを始めた頃
奥物部で始めて出会った栃の実を拾っていたとき
背中を叩いた落実の思い出が蘇りました。
この栃は
何百年ここで生きているんだろう
傍らでツリバナも
赤い実で森を彩り笑っていました。
橡の実やいく日ころげて麓まで 一茶