猿板

遊山黒子衆SARUの記録

仲秋の加持ヶ峰遊山 秋風

                       

  「真名井」は神聖な井戸のこと。
先人が清水が湧き出すとして祀り
修験場とした深山の滝に山道は至る。

◆真名井の滝頭
 ここが修験場であったことを
今に伝える鎖場に架かる階段を登り
真名井の滝の滝頭に上がった。

滝頭の上にはもう一つの滝があり
その岩盤に絡みつく木々が見せる
日本画の様な四季の風景がいい。

                                                   

◆大岩の頭

 「今日の風は冷たいね」

 山道は真名井の大岩を登り
大岩の頭の一つに設けられた
東屋でいつも休憩している。

 「あれツキヨやろう?」

 紅葉も秋菌も
平均気温18℃切れば本番だ。

 菌類にはいい季節になったな。

                             

◆森の中のもう一つの森
 山道は東屋から下り
僕らがこの山のまほらと感じる
佐賀山谷川源流の森へ下る。

 「渓が落葉の秋色になった」

 “人間と植物は心が通う” と考えられ
まだ実証は出来ないがそう仮定しないと
説明できない事象が多く確認されている。

                                           

なのでドローンなど農業の無人化は
植物との絡合の術が解らないかぎり
難しいと意見する学者も少なくない。

 大脳を発達させ自ら造った五感の壁で
隠れたものを僕らの祖先には見えていた。
そう考えると色んなことが腑に落ちる。
お釈迦様もイエス様も見えたのだろうなぁ。

◆かえり道
 この前日の強い秋の寒気で
枯沢で紅葉に初雪が積もった。

 私の山道で紅葉の雪化粧に
出会ったのは20年位前だろうか。

                             

 「やっぱり稜線風強いね」

今年は偏西風の蛇行で秋が遅れ
夏の終わりと晩秋が同時に降りて
四国でも紅葉が例年より遅れていた。

 樹々に守られた
   森は穏やかだったな。

                       

10年前後の周期で変化する
気温の寒暖や積雪量の差は
太陽黒点活動の周期11年に
一致しているように思うなぁ。

 「今年も
   山のお祭りが始まるね」

紅葉で今年の夏の様子が解る。

 楽しみだよね (^_^)

                                     

秋風やしらきの弓に弦はらん  去来