猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小屋閉めの剣山遊山 山小屋

標高1920 m剣山山頂直下にある1955年に開設された剣山頂上ヒュッテは四国で少なくなった個人経営の山小屋。 ◆荷を下ろす 「もう腰が据わりました!」 次郎のピストンを中止したワイズさん。 また来いってことよ。 ◆ふれ合う 「さっき電話したんじゃが」 すい…

小屋閉めの剣山遊山 冬青空

標高1820mにある大剱神社は展望の良い場所に鎮座し休憩にも良い。古来から「悪縁を絶ち、良縁を結ぶ」とされ縁結びの神として親しまれている。 ◆空に出る 古代信仰の神は高き山にあるとされ国生みの原点である淡路島から見て最高峰である剣山は霊峰として神…

小屋閉めの剣山遊山 冬の雲

「先日は ありがとうございました」 登山口の馴染みとなった民宿まつうらに立ち寄った。 ◆落ち合うこと 「遅くなりました」 ワイズさんと合流。いやいや今日は泊まりだから一杯やってゆるゆる行こうや。 ここの炒飯は絶品だ。泊まりの時は昼を頂いている。 ◆…

tochikoな山歩き 響き

「今期もお世話になりました!」 小屋閉めのため今期最後の宿泊に剣山を訪れました。 初日は日差しが射し温かなスタートでしたが 雲の進軍がすぐそこまで来ています。 自分たちが雲の中に居ることを忘れてしまいそうな温かな夕餉をいただき 翌日は冬を思い出…

小屋閉めの剣山遊山 冬晴れ

日本を低気圧や前線が通過し西日本は曇り雨が降りやすくそのタイミングがポイントだろう。 ◆空を観る翌日強い寒気は四国に及ばず低気圧や前線は東へ遠ざかり四国の平野部は回復するが山間部は終日雲の中かなぁ。 ◆川を遡る 「初の山小屋泊だ」 そんなワイズ…

河童の道具箱 身を守ること

昭和36年1月3日高知徳島県境の三嶺頂上部において高知商業山岳部の生徒3人が全員遭難死した。 ◆記憶のこと その遭難の慰霊に上がられた同山岳部のお仲間と会ったのはもう25年前になるだろうか。 ◆道具のこと 最初リーダー格の若者が山頂直下で強風と低温で滑…

小六月の家から遊山 結

高知市南部に東西に尾根を張る南嶺山塊の主稜線にある鷲尾山はかつて土佐藩の薪を賄ったお留め山。 ◆土佐藩の森 この杉林は戦後木材需要期に植えられたものだと思うが裏山は人の暮らしと共に姿を変える。私はそれを自然破壊とは思わない。 ◆背骨に上がる 杉…

小六月の家から遊山 転

山頂で他の登山者との会話を楽しんだ高見山を後に草原状になった鞍部に下った。 ◆高見を下る 「この高度感もいいね」 足下に私の住む街が広がる下り道。私もこの風景が気持ちいいと思う。 「腰が引けるぅ~」 tochikoは童心に帰ったのかいつも通り過ぎるライ…

小六月の家から遊山 承

「萩も終わりやね」 マメ科ハギ属の落葉低木または多年草。山野に自生し古来秋を代表する花だったので草冠に秋と書いて「はぎ」と読ませた。 ◆城下を臨む山 標高118m筆山頂上からは高知城を囲む高知市中心部を一望する。ここに眠る歴代藩主と家臣方々はずっ…

tochikoな山歩き 南の森

高知市の南嶺は標高300m台までの手軽なハイキングコース いつもの身近な場所ながら一歩入るとたクスノキ、シイやアカマツなどが道を覆うように背を伸ばしていて 薄暗い暖温帯の森林歩きからはじまります。 ひとつの山を登るごとに 北に工石山から三ツ辻山の…

小六月の家から遊山 起

移動性高気圧が日本を広く覆い西日本は晴れるところが多くなり初冬の寒さは一時一休みする。 ◆心身休める日 高山の紅葉は下り冬本番前の小春日和にtochikoと家から歩いて高知市の裏山を訪れた。 街の生垣にも秋色が見えてきたなぁ。 ◆裏山に入る 家から歩い…

立冬の三辻山遊山 帰り道

姫沙羅(赤良木)が多いのがこの赤良木峠の名の由来だろう。 沙羅はツバキ科の落葉高木で別名夏椿。六~七月ごろ椿に似た白色の五弁花を開く。 ◆深いところ 北の道は一旦鞍部に下る。この平坦地は樹々の姿が美しくこの森のまほらのように感じる私たちのお気…

立冬の三辻山遊山 落葉道

「珈琲いかがですか 讃岐のどら焼きもありますよ」 ありがたく頂戴します。 ◆鎮めるとき 静かな霧の森で仲間と共に温まる一時。単独行もいいものだが人にはふれ合いも大切だろう。 ◆山懐に入る 東屋で一息つけたのち三辻の東に延びる森に分け入った。 この山…

立冬の三辻山遊山 霧の道

二十四節気「立冬」は紅葉する木樹も多くなり空気が乾いて空が青く澄む節。 ◆熱を冷ます 「一休みしましょう」 山道の広場として整備された。杖塚で荷を下ろし装備を調えたが今日はそれほど汗を掻いていない。 ◆峠に下る 杖塚には幾つかの道が交わり私達は霧…

立冬の三辻山遊山 露の道

ソフトシェルや傘差しとそれぞれのスタイルで森に入る。私はカメラを出すので傘を差した。 ◆分け入る 「今日もこっちから?」 かつての鉱山に続く林道から工石山に続く山道に分け入った。 ◆踊ること 登り始めの杉の植林を覆う薄い霧が陽を抱いて輝いていた。…

tochikoな山歩き 秋枯れ深く

霧雨の朝でした。 今日は古き峠道を辿るのでしばらくは傘をささずに歩き始めました。 木々の枝に雨粒が並ぶのもこの時期ならでは 足元の沢ガニもどうだ!やるか!と構えてる やらんよー(^_^;) 巻き道に入ったとき立ち枯れにコゲラが止まりました。 歩みを進…

立冬の三辻山遊山 ゆく道

移動性高気圧は日本から遠ざかり本州南岸では前線が明瞭化し北上。四国は太平洋側で雨の降る所がある。 しかし雨が降っても風は弱く雨の中でしか見れない色がある。 立冬に入る休日は傘射して山の盟友と低山を歩こうか。 ◆かようこと 先月共に歩いた三辻山を…

良夜の奥物部遊山 明け時

日が暮れて周囲が雲に覆われ宴を仕舞いテントに潜り込んでから夜の間雲は切れることはなかった。 ◆かわたれどき 明け方時々テントに射す光りを感じ目が覚めた。 tochiko 来たぞ! ◆変化のとき この時期はまだ陽射しが強く雲は朝陽に吸い込まれてゆく。 これ…

良夜の奥物部遊山 十三夜

今回は共同テント一張と雪山泊を目指すワイズさんの個人テント一張を設営した。 ◆天幕を張る 「雪があれば どこでも張れるけどね」 さあ今宵のSARU邑が立ち上がった。 「今日は縦走えいわ!」 空身での三嶺ピストンは諦めて今日をゆっくり楽しむことにした。…

良夜の奥物部遊山 風の薄

山道は白髪山の稜線に乗り剣山まで続く縦走路に交わる。ここでやっと木段がいなくなる。 はあ やれやれ・・・。 ◆頂のこと 標高1770mの白髪山山頂は剣山地を目前にして南は太平洋を北は石鎚山へ続く四国山地主稜線から四国カルストまで臨むことが出来る。 「…

良夜の奥物部遊山 紅葉晴

標高1400mの白髪山登り口。冬期は積雪1m越えは普通のことで車を上げることが非常に困難となる。 ◆分け入ること 「綺麗やなぁ・・・」 このあたりが紅葉の見頃。見事に染まったブナ達の大木が3人の山の神を迎えてくれた。 ただ山頂まで高低差約350mの登り全て…

tochikoな山歩き 希な月

ひと月に満月が2回ある10月その2回目の月を眺めてきました。 太陽が沈むとき 鍋に燃料、食材に水一夜を自然の中で過ごすために欠かせないものを仲間と担ぎ上げ身体が温まった頃 東の空から茜色の月が顔を出す 翌朝はガスガスで目覚めましたが 太陽が雲を…

良夜の奥物部遊山 ゆく道

大陸から高気圧が張り出し四国の山でも日差しが届き朝夕は冷え込むが日中は温かい。 ◆空を観ること翌日は高気圧の中心が日本の東の海上へ移動し高気圧の縁辺の風の流れによって太平洋側は雲が広がりやすいかな。 ◆集うこと この週末は山の神3人と奥物部の山…

霜降の剣山遊山 ゆく道

この山に今期1番の寒気が訪れ晴天による放射冷却もあり気温は-2℃。今年は冬の訪れが早いかもしれないな。 ◆凍てつくとき 頂上ヒュッテの初氷は表の雨水タンクが凍ったときで今期は10月24日が初氷となった。 ◆かわたれとき 静かに朝陽が山頂を染め空は夜から…

霜降の剣山遊山 山小屋

等圧線の僅かな蛇行によりぶつかり合った大気の影響により山頂には強い風が吹き抜けていた。 ◆帰るとき 「ただいま帰りました」 昭和30年に建てられた山小屋に初めて訪れたのがちょうど30年前で通い始めて10年になる私達の居場所。 「まずはこれやの」 ◆静か…

霜降の剣山遊山 山神様

「綱男さん おるで!」 紅葉のピークを迎えた剣山登山リフトも大賑わいの様子。 ◆再会すること 「そろそろやと 思いよったわ」 まさに神出鬼没ですね。 「大剱回ってもどろか」 ◆山仕事のこと 大剱神社の鳥居を潜る。剣山は山全体を御神体とする最も古い山岳…