猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

寒露の剣山 霧の中

和宏さんの置き土産。 冬の山は野鳥が少なくなるが ここで越冬するものもいる。 ◆傘差すこと 私は合羽を羽織るのが嫌いで 雨が降れば傘を差して登り 傘が役に立たない悪天は登らない。 雨の山が嫌いになるのは 雨具の蒸れなどの不快感が 原因の一つであると…

寒露の剣山 山粧う

9月末頃始まった紅葉は 山麓に下りはじめていた。 良い感じじゃないですか。 ◆空が開くこと お気に入りだった 山毛欅の老木が折れていた。 「大木は切っちゃらにゃ 山が動くがよ」 かつて杣人がそう言っていた。 「大木の下には何ちゃあ生えんき」 薄暗い森…

寒露の剣山 霧の道

あの男が帰ってきた。 京都で和食の修行を積んだ SARU最強の料理人RYO 彼との遊山は8年ぶりだろうか? ◆集う 今日の目的は紅葉と 和宏さんの差し入れ遊山に 伊予から山猫さんも駆けつけた。 ◆自然の領域 小雨降るが風はない。 標高1,400m見ノ残登山口に 鎮座…

寒露の剣山 秋の雨

台風が近づいているが 秋雨前線が一時離れそう。 この週末はこのワンチャンスだろう。 ◆思い切ること 風がなければ少々の雨は覚悟して 変化の風景を求め四国山地の北にある 剣山を訪れることにした。 う〜ん・・・ 南から湿った空気が 流れ込み始めたかなぁ…

tochiko居ぬ間の一輪挿し 純情

山母子(ヤマハハコ) キク科ヤマハハコ属の多年草 花言葉は「純情」 北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し山地の草原に生え西日本のものはホソバヤマハハコ 和名の由来は母子草(ハハコグサ)に似て山に生えることからきている。開花時期…

のろやまさんと西熊遊山 朝陽

私の山の朝はおじやで始まる。 ご飯は足の先まで温めてくれる。 日本人には長年食べたお米がよく お米には魚が合うと思っている。 ◆朝が来る 他にこんな贅沢があるだろうかと 思わせるほど静かでいい夜明けだった。 だから野宿はやめられない。 「おはようご…

のろやまさんと西熊遊山 変化

日が傾き始めて のろさんとの会話が途切れた。 「綺麗ですねぇ・・・」 ◆夕照 茜色の陽が差し始め 変化のときがはじまり 音のないドラマに包まれる。 ◆鹿が啼く 陰りゆく山麓から ピーィ ピーィと 牡鹿の鳴き声が聞こえてきた。 西熊の大きな陰が 三嶺に続く…

のろやまさんと西熊遊山 天辺

「三嶺に乾杯!!」 今回の目的は「天辺で酒を吞む」 それが出来る貴重な気圧配置だった。 ◆寝床を定める 山頂は気圧差で風が強いが 今日はそよ風も吹かない好条件。 こんな日は滅多にあるものでない。 「テントポール忘れた!」 この瞬間 のろやまさんは野宿…

のろやまさんと西熊遊山 笹原

「いい風景ですね」 ここから西熊山山頂までは 四国らしい笹の稜線歩きとなる。 ◆眺望のこと 目の前には白髪山 振り返れば躄峠がどっしり座り 北には祖谷郷が見下ろせる。 ◆コメツツジのこと この斜面に生きるコメツツジは 秋は笹の海の珊瑚礁のように染まり…

のろやまさんと西熊遊山 稜線

カンカケ谷源流の水場を過ぎて 急峻に切り立つ最後の登りに入る。 昔ここでカモシカをよく見かけた。 ◆胸突き八丁 急峻と言っても 山道は葛籠折れになり 多少危険な箇所もあるが 私の好きな道の一つだ。 標高が上がり 時折見える西熊の森には 秋の色が見えは…

のろやまさんと西熊遊山 樹界

単調な植林を30分ほど歩き 八丁ヒュッテの分岐から カンガケ谷を遡る山道に入る。 ◆自然の森 人が作る植林も 自然の一部だと思うが やはり人間の作るものは 自然の造形美には勝てない。 ◆谷へ下る 山道はカンガケ谷に下り 谷の源流へ遡る道が始まる。 この谷…

のろやまさんと西熊遊山 渓流

朝陽が森に差し始め 木々の向こうが明るくなり 沢の音が聞こえはじめる。 ◆谷へ下る 奥物部の森への道は いったん砂防ダムで出来た 堂床河原にくだる。 ◆堂床谷 高知県最大の広葉樹林 物部川の源流域奥物部の森は どの谷に入っても水が美味い。 水の豊かな谷…

のろやまさんと西熊遊山 実る

大陸生まれの高気圧が ゆっくり秋雨前線を押し下げる。 これ以上望む天気はないなぁ。 ◆待ち続けたこと 絶好の気圧配置が訪れる週末 大阪ののろやまさんと共に 奥物部の西熊山を訪れた。 ◆恵みのこと 瑞穂が金色に染まり 水に恵まれた土佐屈指の米所 韮生の…

紅葉はじまる「石鎚山」 山粧

天に向かって聳え立つ。 神々しい石鎚山のシルエットが 傾き始め太陽を背に現れた。 ◆光と霧のこと 再び雲が湧き上がり 逆光で見えなかった 錦色が浮かび上がる。 今まで待った甲斐があった。 ◆錦色のこと 秋に入り日が短くなり 時がたつのが早く感じる。 「…

紅葉はじまる「石鎚山」 逆光

今まで降っていた雨が 嘘のような晴天が訪れた。 風は殆どなかったが 雲は動きはじめた。 ◆アマテラス 日本の天候は 太陽と海流が決める。 まして山の天候は 下界の予報はあてにならない。 ◆陽が射し 太陽がまぶしく輝き 雲の動きが速くなり 山麓を覆う錦色…

紅葉はじまる「石鎚山」 囲む

表参道成就社コースとの合流点 山頂への鳥居が立つ二ノ鎖場は 多くの登山者で賑わっていた。 レオどうする? 「ボク待ちよる」 ◆臨機応変 そうしようか。 山猿は人混みが苦手やから(笑) では 行ってらっしゃい (^0^)/ 避難小屋で2人待っていたら 無事登頂…

tochikoな山登り 弥山へ

土小屋からの登山道は 良く整備された とても歩きやすい道ですが 二の鎖からは一気に高度を稼ぐ 鎖場または階段の巻き道となります。 ここまで頑張ったレオは河童と一緒に待ってもらい 和宏さんとTomiさんと弥山を目指すことにしました。 まずは二ノ鎖から …

紅葉はじまる「石鎚山」 秋雨

「あっ! 雨が降ってきた」 レオは準備してきた オレンジ色の傘を開いた。 ◆秋の霧雨 紅葉は晴天下が好まれるが 私はしっとりした風景も好きだ。 また今日は霧の濃さがちょうど良い。 ◆雨の恵み 山紫水明 四季折々 瑞穂の国 暑すぎず寒すぎない程よい気温 こ…

紅葉はじまる「石鎚山」 山霧

「これ 雲ながぁ?」 そうやねぇ。 地面に着いてるから霧やけど 下から見たら雲の中やね。 ◆霧の中 空中に浮かぶ水粒である 雲と霧の呼び方の違いは 地面に接しているか否かで変わる。 ◆命の水 真ん中に高い山地がある日本は 雲や雪が多く発生する水豊かな島…

紅葉はじまる「石鎚山」 朝日

前線が下がり低気圧が発生し 天気は回復に向かうが不安定そう。 でも変化の風景に出会える様に思う。 ◆変化を求める そんな休日和宏さんの提案で Tommyさんとレオを連れて 石鎚山を訪れることにした。 ◆川を遡る 紅葉色がちらほら見えはじめた 国道を離れ仁…

Tommyさんと三嶺にゆく 躑躅

天狗岩から上の道は 鎖が連続する急勾配の直登。 アキレス腱のストレッチにはいいかも。 ◆アタック 山頂直下の短い鞍部に至る。 冬期はここから風と雪が変わり 雪崩に細心の注意を要する場所。 ◆山頂へ 風雪が強いため 笹とツツジに覆われた 三嶺の山頂部に…

Tommyさんと三嶺にゆく 野茨

ノイバラが実を結ぶ。 熟した果実は甘くて香りがよく もちろん鳥達の貴重な食料となる。 ◆三嶺に向かう カヤハゲと三嶺の長い鞍部は ここ数年で風景が変わったが いま地衣類が生えてきたようで やがては何かの草が生えるだろう。 「教科書どおりですよ」 そ…

tochikoな休日 お江戸遊山

週末は用事があってお江戸へ 空からは地球の皺がよくわかります。 剣山系がよく見える あの笹原の上にのろさんと河童が居るはず ・・・って見えないよなぁ(笑) 「行ってきまーす!」 さて、朝からコーヒー1杯で お江戸までやってきました。 まずは河童が…

Tommyさんと三嶺にゆく 竜胆

「リンドウが歩け歩けと励ましぬ」 いつか介護施設を訪れたとき この歌が目にとまった事を忘れない。 ◆稜線の風 「風が気持ちえいねぇ」 ススキが風に揺れる 剣山から伸びる主稜線に上がる。 ◆白髪分岐 ヤマラッキョウが咲き 天道虫もそろそろ冬ごもりへ そ…

Tommyさんと三嶺にゆく 鳥兜

四国の高山では 標高1200m位からブナが現れる。 特に四国のブナは葉が小さく 葉音も軽やかで気持ち良い。 ◆柞のこと 広葉樹林全体に言えることだが 特にブナの森は保水力が高いだけでなく たくさん実をつけ森の命を養う。 でも今年は裏年のようだね。 ◆森を…

Tommyさんと三嶺にゆく 狐花

寒冷前線を押し下げた 大陸の高気圧が四国を覆い 下界は絶好の行楽日和だが 山はやや不安定かもしれない。 ◆はじまること 雪のテント泊を目指し 冬の「三嶺」を目標とした 雪女プロジェクトの2人目 Tommyさんとの歩みがはじまった。 ◆秋分のこと 今回は飯炊…

台風一過の南嶺に登る 口福時

「お疲れさまぁ〜!」 家から歩いて2時間半で 標高308mの山頂に立つ。 ◆鷲尾山 目の前に土佐湾から太平洋が一望。 江戸以前の有力豪族の物見台や 太平洋戦争時の対空監視所があった眺望は 晴れた日には足摺岬から室戸岬まで見渡せる。 この山塊が四国山地の…