猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

霜降の剣山遊山 紅葉道

「わし道の巡回してな 上におるけん上で会おうか」 承知しました。お昼済ませたら上がります。 ◆崇めること 剣山を囲む3つの地区の各1人が道の手入れをしている。それは仕事などではなく永く継がれた信仰なのだろう。 不浄なものの侵入を禁ずる注連縄を潜り…

tochikoな山歩き 駆け下りる

山肌を錦に染めている紅葉も1,400mから1,500mというところまで 登山道は枝から落ちた葉がカサカサと心地よい音を立てています。 ん?目の前に野鳥が 落ち葉の中の何かを探しています。 アトリという冬鳥でした。 山神様は登山道の水抜きに溜まった落ち葉を…

霜降の剣山遊山 帰る道

明日は日差しが届いて秋晴れ。昼間は過ごしやすい体感だろうが朝晩は放射冷却で肌寒くなりそう。 大陸の大気が日本を覆い風どおしがぶつかり合い四国の稜線も風が強いだろう。 ◆嬉しい知らせ 「あのな わしな 折角河童さんら来てくれるけんな 泊まらしてもら…

秋雨の三辻山遊山 鎮

山道は樫山越えに続くが峠の眺望も次の楽しみにして風が吹き付ける北斜面を巻き南斜面の山道を引き返した。 ◆古道のこと この南の道が峠と峠を結ぶ本来人の往来があった山道で長年踏まれた道はしっかりしている。 「いい道ですね」 道路が通る前の里人は日当…

秋雨の三辻山遊山 結

植林を抜け登山道に入る。ここから山道は標高1108m三辻山の山頂部を覆う自然林に入ってゆく。 ◆山頂部のこと 登山道合流は山頂に近く程なく山頂直下の園地に着いた。 今日は雲の中だから山頂は次回の楽しみにしよう。 ◆始まること 「紅葉が始まってますね」…

秋雨の三辻山遊山 転

「一休みしましょう」 国民休養林指定を記念して公園整備された杖塚に上がる。 ◆分かれ道 杖塚はこの県立自然公園山域に幾つかあるコースが集まる場所で今日は峠に下り三辻山を目指した。 ◆人の跡 かつて本山郷と城下を結んだ赤良木峠には昭和の頃廃坑となっ…

秋雨の三辻山遊山 承

「まだツリフネが咲いとる」 ツリフネソウ科ツリフネソウ属山地の湿った所にはえる一年草。花は葉の下に隠れるように咲く。 ◆傘を差すこと 登り口に着いたとき霧雨は殆ど霧に変わっていたが風が吹く度梢の雫が落ちてくるため傘を差して登りはじめることとし…

tochikoのかよう道 霧訪れる

かよう道に冷たい風が吹いてきました。 冷えた朝は霧が訪れ季節が変わったことを教えてくれます。 見慣れた景色でも流れる霧を見届けたくなる時間です。 いつもの場所で車を停めて休んでいたら カサカサと落ち葉が降りてきました。 気温は8度朝露が降りた河…

秋雨の三辻山遊山 起

東西日本に天気図に出ない上空の前線が通過し幅広い雨雲がポツポツパラパラと雨を降らせる。 これは入ってみないと解らない。 ◆空を読むまた寒気は四国沖まで南下し弱いながらも冷たい雨が降り山を下る紅葉は更に進むだろう。 天気予報の雨マークは一律でな…

寒露の国見の山 帰り道

山頂直下の大岩に祀られる祠。古より祖先は岩や木に注連縄を巻き頭を垂れてこの島国で生きてきた。 ◆軒を借ること 四所神社の小屋をお借りしてワイズさんのヤマメシが始まった。今日は私のリクエスト焼きうどん。 ◆湯気立てること tochikoの提案で荷揚げたア…

寒露の国見の山 雲の道

雫を纏うヌメリツバタケ。今年は台風含め程よく雨が降り急に寒くなったため紅葉が早くまたどの山も菌類も豊作の様だ。 ◆雲に入ること ゆるい鞍部を登り返すと再び山道は雲の中に入った。この山麓から湧き上がる雲も頂上部に水を持ち上げている。 ◆始まること…

寒露の国見の山 霧の道

秋の低い雲の中にあるぐんぐん高度を稼ぐ防火帯を登り稜線に近づき霧が明るくなってきた。 「ちょっと 休憩するで」 ◆稜のこと 薄雲に覆われた東西に標高約1400mのなだらかな稜線を張る国見山山頂部の森に入る。 落葉樹の緑は薄くなり冬眠の準備をはじめたよ…

寒露の国見の山 露の道

二十四節気の寒露は新暦十月八日ごろにあたり露が寒さで凝って霜になるの意。 ◆雲出流こと 気温が高いほど飽和水蒸気量が大きく空気は多くの水蒸気を含くむことが出来て気温が下がれば水滴ができはじめ気温差がある秋は雲海のシーズンとなる。 ◆杉のこと 登…

tochikoな山歩き 雲中の実り

頂上近くのブナはほかの山と同じように豊作でした。 今年は春に来られなかったもね。 2020年9月中旬 国見山 ブナは2年に一度は花が咲き5~6年に一度大開花すると聞きますが四国ではどこの山も同じで不思議 2020年5月上旬 奥物部 モコモコの緑は若葉とブナの…

寒露の国見の山 ゆく道

南を台風が通過した四国は太平洋側は朝から晴天となるが今回の台風は動きが遅いため山間は北から雲が流れ込みそう。 ◆空を観るしかし台風が攪拌し通過した海域は表層海水温が下がり寒気も南下を始めこれから次第に秋は深まってゆくだろう。 ◆山間に入る ワイ…

寒露に入る工石山遊山 共生林

道端のヤマシキミが今年の実を結ぶ稜線の道。標高約1200mの南国の森には日本でここしかない植生がある。 ◆共に生きる 同じブナ科でも暖温帯の山地に多いアカガシと冷温帯のブナが共存している貴重な植生の森がある。 やはり自然は「競争」でなく「共助」で生…

寒露に入る工石山遊山 稜の森

杉やったかぁ。 赤松と見紛うほど枝を踊らす自然に育つとこうなるのか。 ◆自然林 特に稜線付近は雨雪が強く風が吹き上がり樹々は時の記憶を姿に刻んでいる。 ◆稜線に出る 石英が多く含まれた白い巨大な岩が現れたら工石山山頂部の稜線は近い。 北と南の頂を…

寒露に入る工石山遊山 自然林

「一休みしょう」 工石山はS42自然休養林の指定により整備されたいくつかの登山コースの起点になる休憩場所がこの杖塚。 ◆自然林に入る 今日は賽の河原に行こうや。賽の河原への山道は工石山の南斜面山腹を横切るコースで日当たりも良く植生も豊かだ。 ここ…

寒露に入る工石山遊山 人の林

登山口に花を添えた夏の季語ユリが実を結び秋の訪れを告げていた。 ◆林道の花 かつての鉱山に続く林道から工石山山頂への道は始まる。気温は14℃山歩きには丁度いい。 その道端には秋の花が盛りを迎えている。 ◆杉林の花 林道ゲート前の分岐から杉林に入る山…

tochikoな山歩き 露

工石山で見つけた小さな秋 朝露が降りるようになって昆虫たちも秋の花に懸命です。 鏡川の源流賽の河原から頂上を周ることにしました。 春はよくこの山域に通ったなぁ 石の下で賑やかだったカエルの鳴き声が嘘のように静まり 傍らにアサマリンドウが静かに咲…

寒露に入る工石山遊山 ゆく道

日本海を寒冷前線が通過し四国の朝は抜けるような青空だが次第に雲が増えていき山沿いでは午後ニワカ雨の可能性がありそう。 ◆空を観る その日の朝の寒気は太平洋高気圧を押し下げているが東シナ海の高気圧の雲が押し出してやはり山は午前中がBetterだろうな…

中秋の剣山遊山 結

いつもより早く寝て何度か起きて外を見ても山頂を覆う雲が開くことなく明け方には雨が降りはじめた。 ◆昨日も晴れ今日も朝 「河童予報外れたね」 まあ自然相手とはこの様なもの昨日は帰って来ないから今日も朝で 頂きます (^_^) 「次は河童さんの 好物を構え…

中秋の剣山遊山 転

雲の中の山道は高さ50mの大岩が聳え立つ標高1783.m大剣神社に上がる。 ◆御神の山 この御神体「御塔石」は天の頂に登った山仲間との懐かしい思い出がある。 「あのときは 霧氷が綺麗やったね」 ◆居場所に帰る ここから岳樺の森を抜けたら頂上ヒュッテはすぐ…

中秋の剣山遊山 承

「上から着いたのが見えたわ」 山神様は既に頂上を往復し登山道の様子を見てきたと言う。 お元気そうで何よりです。 ◆落ち合う 「急がんじゃろう」と彼此1時間以上交わしたお話しは。もうこれでいいのではないかと思うほどまた肥やしとなる大切な話を頂いた…

中秋の剣山遊山 起

台風から変わった低気圧は西日本から東に移動し四国は回復に向かうが雲は残るだろう。 ◆空を読むまた大陸の寒気が南下し朝夕ぐっと気温が下がるただ四国は気圧の谷に入り晴天は期待できないだろう。 ◆川を遡る 「わしのぉ土曜は怪しいけん 11時にまつうらで…

tochikoのかよう道 霧の訪れ

暖まった地面に冷えた空気が通過すると起こる自然現象 かよう道に霧(もや)が発生し秋の訪れを感じるようになりました。 四万十川に注ぐ梼原川で唯一男性的な景観を示す八百とどろ ここを遡ってきた鮎は本物鮎が本物なら釣り人も名人でしょう この道の帰り…