いつもの植林を抜けると
比較的樹高の低い林が続きます。
沢沿いで
ある日見つけた炭焼釜の跡は
山猟師Kさんに見せたい場所でした。
「炭を焼くには水も要るがよ」
全てが利に適っている。
この場所が
人間と共に過ごした場所なのだと
改めて眺めるといつもと違った風景に見えます。
奥の院近くの栃の大木も
きっと人の手で植えられたもの
樹皮が染め物に
材は食器や捏ね鉢に
花は蜂が花粉を集め蜂蜜に
実は貴重なでんぷんであり
縄文時代から人間と深く関わってきた樹木
小さな橋を渡り
桂の門番が現れる場所からは
緑深い森に吸い込まれるような道に入ります。
橡の花葉越しの真日に散りやまず 渡邊水巴