初めて捉えたウグイスの姿。
スズメ目ヒタキ科の漂鳥。春告鳥。
「法、法華経」という聞き做しから
「経読み鳥」ともいわれている。
◆経を囀る
警戒心が強いウグイスでも
今日の変化の風音と流れる雲で
私たちの気配に気付かなかったか。
いや解っていたのかもしれないな。
さあ 帰ろうか。
◆それぞれの花見
「今の奥物部は
咲かんなったね」
私はバイケイソウの花が好きだ。
久しぶりやね。
高山の湿地に群生するユリ科の大形多年草。
高さ1mを超え初夏6弁緑白の小花が花穂に密生する。
葉は基部で茎を抱き肥大した根茎に劇毒がある。
名は花が梅に葉がケイランに似ていることに由来する。
「ここにも花筵」
今頃がエゴノキの落花かぁ。
この頃だけの一期一会なんだな。
華やかな桜やツツジは人気あるが
私たちは残花や落花も好きだから
静かに楽しむことが出来るのだろう。
陽が射してきた。
「気持ちいい
いい時に来たね」
「まだツツジが咲いちゅう」
日本人は十人十色、百人百様。
互いの価値観を互いに良しとして
お互い様で生きて来たと思う。
◆かえり道
この日東北地方が梅雨入りした。
美しい日本語「夕立」「にわか雨」を
「ゲリラ豪雨」と呼び変えた天気予報の
「梅雨入り宣言」に何の意義があるのか。
「伐採ここまで来たね」
外材の高騰で国産需要が増えてよかった。
陽も雨も変わらないからまた賑やかになる。
山菜も沢山生えるな。
スーパーコンピュータやアメダスに
多額の血税を投じる今の天気予報より
二十四節気を受け止めて生きた方が
有意義で温かい人生が送れる様に思う。
「どうかと思いよったけど
雨に遭わずによかったですね」
山は来てみんと解らんね。
頂きます。
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城