猿板

遊山黒子衆SARUの記録

梅雨に入る三辻山遊山 霧の中

                             

 この赤良木園地が造られた
昭和の頃は日本は景気がよくて
挙って行楽地に押しかけていた。

 なぜこんな日本になったのか。

◆三辻山頂
 家から3時間足らずで
標高約1300mの山頂に立てる
この趣味は一生続けられそうだな。

 「ここも真っ白けっけ」

 頭を雲の上に出してなかった。
でも風が涼しくていいじゃないか。

 山頂には風が吹き上がっていた。

     

◆自然の森
 三辻山山頂から北東斜面には
植林率が高い高知県では少ない
極相に近づいている自然林がある。

 変化のときか
山を覆う雲が明るくなってきた。

 「木苺が熟れゆうで」

山野に自生するバラ科の落葉低木。
四月ごろ白い花が咲き夏に熟する
黄色い球形の果実が食用となる。

                     

極相に向かう森では様々な種が根を張り
「競争している」が今までの合意だったが
「助け合えるか観ている」としないと
説明できない現象が多く観察されている。

 

今は何がどこで観ているのか解らない
「自然の絡合」がいつか解明されるのは
現象があるから確実なんだろうけど
私が知ることが出来るかは不確実だな。

                 

◆森の中のもう一つの森

 森の中にもう一つの森があるのは
30年色んな山を歩いてきて感じたこと。
それはチベットの山でも感じたし
森だけでなく人間社会もそうだと思う。

姿の見えない鳥の囀りは鶯に変わった。
この森の樹々も花筵で迎えてくれた。

                       

人間の五感で感じられないことこそ
自然を成す命どおしが繫がり生きている
「絡合」の真の姿のように思えてきた。

                    見えざれば霧の中では霧を見る  折笠美秋