猿板

遊山黒子衆SARUの記録

つらつら山の三辻遊山 転

                                         

 「ここのグイミ美味しいですよ」

 茱萸は日当たりの良い川原や
原野に群生するグミ科の落葉低木。
夏に実が生るものと秋に生るものがある。

◆峠の風景
 杖塚を下り古の杣道に入り
赤良木峠に降って風景が開ける。

 「雲海や!!」

 「どうしてここだけ雲海?」

ダム湖があるため雲が湧きやすい
雲の海に覆われた土佐町の彼方に
四国山地の主峰石鎚山が聳えていた。

◆近道に入る
  峠から入る近道は植林を登る。

 次は雪山泊したいですね。

  「一緒に泊まるのは
      一年半ぶりですね」

                        

 山の盟友と呼べるご夫婦と
テント張って雪見酒したいな。

 大雪が多いのは12月下旬で
まだ日本海の水温が高いためだ。

 でも根雪が出来るかですね。

「駄目ならウチに来て下さい
   一緒に島巡りしましょう」

 それも良いですね。

                     

◆稜に乗る
 植林作業道の急登を終えた
山道は三辻山の登山道に入る。

 特に冬山を共に歩くものは
息が合うことが第一条件となる。

人の都合など関係ない完全中立の
自然に入るには経験や技術も大切だが
それを仲間の為に活かす利他の心。

                 

個々がそれぞれの役割を果たさないと
生死にかかることが多々発生するので
それを見定めるのが長の責任であって
「連れて行って」の方と冬は入らない。

 頂上部の稜線を辿る山道は
忘れられた昭和の園地に至る。

 「頂上行くろう?」

                             

冬の山峠に人の白地(あからさま)  日野草城