猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小雪の三辻山遊山 霜の朝

                       

 自然公園として整備された
この山域は人が植えた木が多いが
その後降りた種が根を張りだして
互いに絡み合ってきた様に感じる。

◆杖塚のこと

 「霜が降りちゅう」

 昭和42年広場として整備された杖塚は
空が開くため放射冷却の影響を受けやすい。

 小雪に入ったきね。

 雲一つない冬空。
空気も凜としてきて
いい季節になったなぁ。

           

◆赤良木峠
 杖塚で一休みした後
山道を少し引き返して
古の杣道で峠に下った。

 「面白くも
    おかしくもない晴天」

 よく八ちゃんが言ってたなぁ。

 「石鎚は霧氷でねぇ」

放射冷却で気温が下がって
朝方まで雲があったがやな。

◆近道
 晴天下 穏やかな峠から入る
三辻山への近道は植林を登る。

                       

 林に射す木洩れ日が
澄んだ冬のものになったな。

この日気象庁は1~2月の長期予報を
例年より「暖」から「寒」に修正した。

 長期予報は気圧配置だけでなく
地軸の傾き、海流、海水温、偏西風など
多くの要素が複雑に絡み合うため
今の技術で見定めるのは難しいもの。

                   

◆稜に乗る
 北斜面の急登を終えた山道は
南を登って来た登山道に入った。

 「コムラサキシキブや」

                       

 シソ科ムラサキシキブ属の低木は
四国でも自生を観るのは希だという。

「ヌル谷のナロと
   ケヤキザコにはあるけどね」

 

 ある程度人の手が入った処。
きっと後から来た新参なのだろう。

                       

 「頂上 上がるろう?」

 今日は空気が澄んで
眺望も気持ちえいろうね。

               まぐはひてのどかなる霜の朝かな  冬の土宮林菫哉