今日も静かな登り口。
気温は－4℃と平年並みで
冬装備で歩きよい気温だった。
◆分け入る
「雲が早いね」
これは変化の風で
今頃稜線は強風だろう。
ボクらはこっちがいいな。
林道を歩きはじめた。
林道の地面は凍っていたが
新雪10cmは冬靴が噛むので
まだアイゼンは要らないだろう。
◆水のこと
冬が折り返したとは言え
大地が冷え切るのは先のこと。
林道に湧き出す水は流れている。
「綿帽子のシャンデリア」
ただポタポタ流れる水は
つららとなって岩にぶら下がる。
これもこの日の一期一会だろうな。
「つらら折り現場」
雪は芯があるから
飲み水代わりにはつららだが
食べ過ぎるとお腹を下すぞ。
◆木々のこと
「雲が早くなった」
低気圧の東への移動によって
寒気の流れが西から北に変わり
これから風も強くなりそうだ。
白髪山が西に降ろす尾根にある
登り口は午前中は日陰となるが
北にある稜線は日当たりが良く
影から見る眩しい風景は美しい。
葉を全て落とした木々が枝の
シルエットを美しく浮き立たせて
向こうに雪をちりばめた広い森がある。
こんな風景は他に知らないなぁ。
◆雪のこと
私達が35年かよった森は
四方を高山に囲まれた山懐にあり
雪は高山を越えた軽い雪が積もる。
「猫バスが来た！」
南西に下り流れる
上韮生川を溯った風が長笹谷に入り
風の固まりとなって吹き上がる。
「正解やったね」
こんな自然の変化を
静かに楽しめる山道は
ここしかないと思うよ。
大空に根を張るつららだと思へ 櫂未知子
