落葉して現れる祠を祀る大岩。
その脇を通る山道を支える石積。
そんな長く人が関わった跡がある
山や道を私は気持ちよく感じる。
◆森の中のもう一つの森
日本列島に辿り着いた祖先は
災害も多いが恵みを与えてくれた
自然と祖先を神として敬ってきたが
それは信教ではなく畏敬の念だと思う。
きっと ここには
集落とまでとは思わないけれど
私達の想像の及ばない深い処に
人の暮らしがあったんだろうな。
「何か動いたで」
それは善とか悪とか上とか下とか
人間の大脳など及ばない遙か深い処。
鳥かなぁ さあ帰ろうか。
◆かえり道
人の一生で
自然に親しむということほど
有益なことはありません。
人間はもともと自然の一員なのですから
自然にとけこんでこそ
はじめて生きているよろこびを
感ずることができるのだと思います。
自然に親しむためには
まずおのれを捨てて
自然のなかに飛び込んでいくことです。
そしてわたしたちの目に映じ耳に聞こえ
はだに感ずるものを素直に観察し
そこから多くのものを学びとることです。
= 牧野富太郎 =
◆より道
「ストーブ入りましたね」
「昨日は寒かったでしょう」
炭の香りもいいですね。
今年も一年お世話になりました。
「いえいえ こちらこそですよ」
ありがとうございます。
頂きます。
また来年も
よろしくお願いします。
冬枯れの枯れひびき合ふ雑木山 山田和子