猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小屋閉めの剣山遊山 枯れ山

                             

 岳樺の森から落盤帯を横切り
太鼓岩の脇を登り尾根に出る。
この大岩には行場の洞窟があり
最深部に不動尊が祀られている。

◆尾根に出る
 見ノ越から南に山頂へ登る
西島尾根に上がり山小屋が見えた。

 さあ 帰るときやなぁ。

 三嶺上空の低層雲は穏やかで
寒暖の押し合いに動きはない様子。

     

「そろそろ社長も
  上がって来ゆろうか」

 今日はみんなてんでバラバラ
まさに烏合の衆やな。

◆リフト西島駅

 「おかえり~
   ちょうど上がってきたわ」

 リフト駅のWさんが手を振る。

     ただいま~!

                 

 山神様!!

 下で用事があって
夕方に上がると仰ってたのに。

 「荷揚げもあるけんな」

 荷物分けますよ。

「いや折角の休みやけん
    先に登っとらんで」

 ではそうさせて頂きます (^_^)

                             

◆尾根を登る
 道の点検もしながら上がられる
山神様に先行し西島尾根を登った。

 「Y'sさん着いて
   先に吞んでますって」

 山での別行動は危険を伴うが
Y'sの経験と今日の空を観て
彼女の希望をよしとした。

                 

 それも彼女の個性だろう。

 「あれが美馬ですか」

 いや 徳島市
独立峰らしい風景だなぁ。

◆居場所に帰る
 東に切れ落ちた尾根は急登だが
眼下を見下ろす高度感は気持ちがいい。

                             

 尾根から山頂部の笹原に出て
温かいスタッフとY'sが待つ
剣山頂上ヒュッテが現れる。

 着いたな。

 享保二年(1717年)に創立された
剱山本宮の鳥居を潜り私達の居場所に帰る。

 「入る前に山頂行こうや」

          明日は雨やしね。

                 枯といふこのあたたかき色に坐す  木内彰志