猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

大寒のカヤハゲ遊山 雪の舟

大栃が居るヌル谷源流を過ぎ標高は1200mを越え雪質が変わる。この雨で積雪はずいぶん落ち着いたがここから上は平均30cmは残りそうだ。 ◆地形を見ること 「体重は真下にね」 山道は葛籠折れに標高を上げスノーシューはタイプによるが特に斜面横切りに注意を要…

大寒のカヤハゲ遊山 冬木中

渓を挟む両側の山が迫り雲に覆われた山道は薄暗くなり奥物部の森に入る分岐に近づく。 ここでアイゼン履こう。 ◆渓へ下る 渓へ下る斜面は北側にあり日当たり悪く地が凍り雪も深いが今日は冬の雨のお陰で刃が利いて斜面を労なく下ることが出来た。 山道は雪を…

大寒のカヤハゲ遊山 冬の雨

登り口の気温は3℃。天気予報で特に前線予測は難しく私は予想は「最悪」対応は「大胆」。 今日は傘差して歩こうや。 ◆傘差して 「5度でも雪が降り -5度でも雨が降る」 昔山小屋のお母さんがそう言う山は入ってみないと解らないものだ。 ◆氷のこと 「雪は温…

tochikoな山歩き 大寒の雨

四国の冬は5℃でも雪が降り-5℃でも雨が降る 山小屋のお母さんが言っていました。 山は雪かと少しは期待していましたが水が増えているのを見るとほっとします。 先週の雪の上に新しい雪が乗っていたけれど その上に降る雨が温かく感じるのは 地面の雪を溶かし…

大寒のカヤハゲ遊山 大寒入

移動性高気圧が東に進み前線が西日本の南岸に接近。このため西日本では雨が降り山沿いは雪の降る可能性がある。 ◆空を観る今冬の長く寒気が居座る特徴はラニーニャ現象により発生した高気圧が偏西風を北極圏に押し上げて寒気が行き場を失い日本に留まること…

カヤガゲ十三夜の遊山 冬晴れ

この夜も深い眠りを体験した。森に懐かれる様な不思議な深い眠り。無風の朝の気温も程度のよい加減でこんな穏やかな冬山は初めてかもな。 ◆今日も朝 私達の山の朝はいつも「おじや」前夜の寄せ鍋をさらえるもあるが何と言ってもご飯は足先まで温まる。 オジ…

カヤガゲ十三夜の遊山 寒の月

尾根筋にある分岐から夏道は山腹を横切り進むが私達は傾斜が緩く雪が少ない山頂に続く尾根を追う冬道に入る。 ◆冬道のこと急登を避け尾根を巻く夏道は雪が吹溜りやすく道迷いや雪質により雪崩のリスクが増す。 ただ尾根には枝尾根があることがあり特徴的な木…

カヤガゲ十三夜の遊山 雪の原

古の峠山から渓へ下る道に備え私達はアイゼンを装着する事とした。この下りは寒暖繰り返す四国の冬で凍った大地に雪が乗る危険箇所となる。 ◆長笹谷へ下る 毎年の事だが固く凍った斜面に30cmの雪が乗りアイゼンを履いても真下に加重しないと足を取られる。 …

カヤガゲ十三夜の遊山 兎の目

「高知はえぇなぁ」 いつもの登り口は私達だけ。四国は山が近いが登山者は多くはなく雪が降れば百名山以外はさらに減る。 ◆空のこと ほぼ無風の快晴で気温-2℃。寒波の狭間に入ったこの週末はこの時期としては暖かいと言える。 「放射冷却で この気温やもね…

tochikoな山歩き 雪影

雪の影は風の姿 細く伸びた木の影はそこに生きる姿 衣食住を皆で背負いながら踏ん張って直登した先は 西に張リだした尾根の南に位置する緩やかな場所 今日はここにしよう ひと息ついて居場所を作る木が長く影を引いてきました。 西熊山の稜線に沈む夕陽が夕…

カヤガゲ十三夜の遊山 寒の入

冬型の気圧配置は西から緩み日本は高気圧に覆われ穏やかに晴れる。翌日は日本海から前線を伴った低気圧が接近し週明けからは再び冬型の気圧配置に戻りそう。 ◆空を観るただ翌日の気圧配置を見れば寒気を引き込む低気圧は発生するが西日本は午前中までは高気…

小寒の奥物部遊山 鎮

雪を纏った低木帯を抜けて空が開ける白髪分岐に出れば目線を静かに雲が流れていた。 ◆もう一つの頂 標高1540mの白髪分岐に立つ。次の頂カヤハゲの上を雲が流れ三嶺の頂は雲に隠されていた。 これは山と山の間で風がぶつかり発生した小規模な収束帯による雲で…

小寒の奥物部遊山 結

鞍部までは行ってもうや。 私が今回確かめたかったのはこの先標高1700mの積雪だった。 ◆北へ下る 剣山を西に発した主稜線は白髪分かれで南北二つに分かれその南向かって延びる稜線に乗って私たちは白髪山の北面を下った。 北面は雪が多く日照も短いため地が…

小寒の奥物部遊山 転

森の最前線樅帯を抜け雲一つない冬青空に入った。吹き上がる風はこの時期としてそよ風と言っていいものだった。 ◆空に出る 南には大海に下る山並に等圧線の蛇行による収束帯が生む雲が穏やかに流れている。 一本しょうか。 「石立が格好いい」 山雲が迫る独…

小寒の奥物部遊山 承

誰もいない白髪山登り口標高約1400mの気温は-4℃でこの時期としては暖かいかな。 ◆分け入る 登り始めは冷温帯の森。登り口にも100年は越すだろう山毛欅の大木が根を張っている。 ◆白髪山の森 笹に覆われた白髪山南斜面はいま笹床を失った奥物部の森のかつての…

tochikoな山歩き 峰歩

「行ってみてからやね」場所はそれから 積雪の覚悟を背負いながら河童天気予報のライブと共に向かった朝でした。 剣山が見え始めて 南には沸いた雲が石立山にかかりオレンジ色に光る太平洋が見えてきた! 頂上からは石鎚山系もくっきりと・・・まぁまぁ白い…

小寒の奥物部遊山 起

冬型の気圧配置が緩み高気圧が通過し寒気が北上する西日本や東日本は高気圧圏内となる。 ◆空を観る 翌日は低気圧が東に離れてゆき北日本中心の冬型の気圧配置になる。南岸低気圧は陸地から離れ通過し四国は雲が多いが降雪はなさそうだ。 その後短い周期で寒…

仲冬の奥物部遊山 冬景色

急登を終え一休み。 急な雪面は靴のつま先を突き刺すイメージの「キックステップ」で登り下りは逆に踵を真下に突き刺し降りる。 ◆稜に乗る カヤハゲは東西に稜線を張り北から流れ来る雪を受け止めるが真北の西熊山側の渓に深く切れ落ち雪が渓を巻き再び稜線…

仲冬の奥物部遊山 冬木立

ナロを後にカヤハゲを登る。標高1200mを越えて雪が変わり踏むたびに雪はキュッと鳴く。 今日の雪質は最高だな。 ◆母なる樹 ヌル谷が出流処に根を張るtochikoの森の母栃の老木は落葉した枝を縁取るように新雪を纏い彼女を見下ろしていた。 気持ちよさそうに座…

仲冬の奥物部遊山 冬の川

北西から来る雲は寒気の訪れを告げているが風は無く森は穏やかだった。 ◆森に入る 林道が沿って歩く渓は稜線に登りはじめて山が迫りその終点手前から森に分け入る。 ◆長笹谷 「アイゼンいらんで」 風が強い谷筋は地が凍りやすいが今日の雪の量と質はいい感じ…

仲冬の奥物部遊山 たぬき

標高約1000mの登り口は気温2℃この時期としては平年並みではあるが私は耐寒訓練でグローブなしで行こうかな。 ◆分け入る 歩き始めは無風と言ってよい寒気と寒気の合間の穏やかな日和。雪質も良くアイゼンは要らないだろう。 「西熊が綺麗やね」 奥物部の主稜…

tochikoな山歩き 空と白

カヤハゲに向かう尾根から北を見ると 西熊山を覆っていた雲を冷たい季節風が南へ運び 空の青が見えました。 ゆっくりと進む寒気のショーはグレーの幕を開け冬の空を見せてくれました。 いい雪質やったね。 雪質はそれまでの物語を映してくれる ここに根を下…

仲冬の奥物部遊山 冬の雲

前線を伴った低気圧が日本海を北東に進み北日本は雪や雨が降る。西日本は太平洋側を中心に日差しが届くが高気圧縁辺の湿った風で雨が降るかも。 ◆空を観る翌日再び西高東低冬型となって日本海側を中心に雪や雨が降り年末は再び強い寒気が入る予想だ。 令和三…

冬至の加持ヶ峰遊山 山眠る

梶ヶ森の山頂部を成す東西に横たわる大岩の上にある東屋で私達はいつも休憩している。 ◆大岩の天辺この真名井の大岩が堰き止めた岩清水が運んだ土砂の河原に下る。ここから先がこの山の聖域だろう。 ◆まほらへ 「どこでも泊まれますね!」 標高1400mの山頂部…

冬至の加持ヶ峰遊山 山清水

奥ノ院から修験場に続くいくつかの道が分かれていて今日も渓を追う山道に入った。 ◆信仰の域へ 「この道は初めてです」 佐賀山川の源流に溯る道はこの山の特徴である石英を含む大岩をほぼ直登する道となる。 ◆渓を登る 山道は一旦佐賀山川谷に下り谷を渡って…

冬至の加持ヶ峰遊山 冬の水

山道は落差20mの滝を成す大岩の右岸を上がった滝頭にある渓水を塞き止めた河原にあがる。 ◆滝頭に上がる 滝の上は幾つかの段が続き先回の風景を覆った雪景色はなく苔むす岩と冬枯た樹々を配した寂びた佇まいで迎えてくれた。 ◆渓を溯る 山道は頂上付近より出…

新年あけましておめでとうございます。

まだ燻るこの騒動に打ち勝ちみんなに会いたいと願う2022年。 また土佐にお帰り下さい。 土佐に来て嬉しきものは 言葉に、魚に、人のあし音 司馬遼太郎