猿板

遊山黒子衆SARUの記録

カヤガゲ十三夜の遊山 寒の月

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 尾根筋にある分岐から
夏道は山腹を横切り進むが
私達は傾斜が緩く雪が少ない
山頂に続く尾根を追う冬道に入る。

◆冬道のこと
急登を避け尾根を巻く夏道は
雪が吹溜りやすく道迷いや
雪質により雪崩のリスクが増す。

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ただ尾根には枝尾根があることがあり
特徴的な木や岩などを覚えるためにも
無雪期に通う必要があると思っている。

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◆尾根のこと

 「尾根に乗ったぁ
    一休みしょう」

 特に気温が低いこの時期は
休みつつ筋肉痙攣に備えること。

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 「お天道様って有り難いね」

私は暖まりやすい黒いウエアを多く使う。

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尾根筋は風が強く雪が少ないから
再びアイゼンを履いて登ることとした。

 冬山は発汗対策含めお色直しが忙しい。

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◆寝床のこと
 今回決めていた時刻になって
尾根直下南斜面の吹溜りに辿り着く。
ここは以前泊まり吹き上げを避けた処。

 さあ 掘るでぇ~

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吹き溜まった雪斜面を彫り込んで
平らな土台を作り今宵の寝床を設営し
好天を楽しむ外吞みベンチも作った。

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 「贅沢な時間ですわぁ。。」

背負い上げたお酒の美味しいこと。

 お山もお酒も人の味やね。

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◆十三夜の宴
 きっちり日没まで楽しんで
日が暮れて天幕の2次会に移った。

 「ほんま静やなぁ。。。」

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 テントの中はなお暖かい。
思う存分湯気立て頂く寄せ鍋も。

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 またテントの外が明るくなった。

 「十三夜の月が出たで!」

月光で凍った雪が星の様に瞬いた。

 有り難い ありがたい  (^_^)

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寒月や暗きところも美しき  根岸善行