猿板

遊山黒子衆SARUの記録

冬至の加持ヶ峰遊山 冬の水

                                                               f:id:kurokoshusaru:20211226203920j:plain

 山道は落差20mの滝を成す
大岩の右岸を上がった滝頭にある
渓水を塞き止めた河原にあがる。

◆滝頭に上がる
 滝の上は幾つかの段が続き
先回の風景を覆った雪景色はなく
苔むす岩と冬枯た樹々を配した
寂びた佇まいで迎えてくれた。

f:id:kurokoshusaru:20211226204044j:plain

◆渓を溯る
 山道は頂上付近より出流
吉野川支流の佐賀山川谷を溯る。

                                     f:id:kurokoshusaru:20211226204142j:plain

 「雪が降ると
    葉っぱが黒くなるがで」

大地はマントルの地熱が伝わり
雪底が解け微生物の分解が始まる。

f:id:kurokoshusaru:20211226204245j:plain

この雪解け水をたっぷり含んだ大地に
明日今季一番の寒気が流れ込んだ後に
降る雪はただの新雪ではないだろうな。

f:id:kurokoshusaru:20211226204342j:plain

 「静かでいい山だわ」

山高きが故に貴からずですね。

            f:id:kurokoshusaru:20211226204422j:plain

◆信仰の域へ
 山道沿いに石積が現れる。
ここは古くから炭焼など人の手が入り
それが故多種多様な樹々の種が根を張り
動物も多く生きて来たと思っている。

f:id:kurokoshusaru:20211226204503j:plain

山道は真っ直ぐ登る石段を上がり
ここから先は古の信仰の域になる。

                  f:id:kurokoshusaru:20211226205718j:plain

梶ヶ森8合目にある遍照院は
歴史を1300年溯る定福寺奥ノ院の
修験者達の宿坊とし建てられた。 

f:id:kurokoshusaru:20211226205822j:plain

 一休みしていきましょう。

ここから幾つか道が分かれますが
今日はどの道を登りましょうか。

 「お任せしますよ」

                             f:id:kurokoshusaru:20211226205938j:plain

浮かびくる如く石あり冬の水  山西雅子