奥ノ院から修験場に続く
いくつかの道が分かれていて
今日も渓を追う山道に入った。
◆信仰の域へ
「この道は初めてです」
佐賀山川の源流に溯る道は
この山の特徴である石英を含む
大岩をほぼ直登する道となる。
◆渓を登る
山道は一旦佐賀山川谷に下り
谷を渡って修験の滝に登る。
この急斜面にも樹々が根を張り
自ら貯めた土壌を守っている。
四国は海底が隆起した岩盤で
この山自体も石英分が多いが故
高く残された大岩だと思っている。
◆真名井の大岩
やがて急登は土壌に落ちた
山の隆起を現す落盤帯に上がり
行場の一つ大岩の間を細く下る
落差12mの真名井の滝が現れる。
「大きな岩やなぁ」
四国では希なこの巨大な岩こそ
私は梶ヶ森の本質だと感じている。
「これが修験の滝で」
◆修験の場
「真名井」とは神聖な井戸のこと。
修験場であった滝の鎖場を登る。
古来日本人は清水湧き出すところを
神聖な場所として大切に祀ってきた。
この造形が偶然の産物か?
私は真名井の滝頭から
違う域に入ると感じている。
「大岩の東屋で
一休みしょうや」
山清水魂冷ゆるまで掬びけり 臼田亜浪