猿板

遊山黒子衆SARUの記録

Tommyさんと三嶺にゆく 竜胆

竜胆

 「リンドウが歩け歩けと励ましぬ」
 いつか介護施設を訪れたとき
この歌が目にとまった事を忘れない。


◆稜線の風
 「風が気持ちえいねぇ」
ススキが風に揺れる
剣山から伸びる主稜線に上がる。



◆白髪分岐
 ヤマラッキョウが咲き
天道虫もそろそろ冬ごもりへ
それぞれ来春への備えに入る。
                 
 白髪山からの縦走路にある
白髪分岐と呼ばれる頂に立ち
これから三嶺への縦走が始まる。



                 
「和宏さんと
  Tommyさん見えんなったで」
 気温が下がれば
運動が楽になるからね (笑)



◆カヤハゲ
 鹿の食害による裸地化により
表土の流失が騒がれたこの山域は
一面の芒の原に変わっていた。
                     
 あれほどNPOなどが大騒ぎをし
多額の血税と人の善意をつぎ込み
大規模に張られたネットの中も外も
同じように芒が風に揺れていた。


           
この人間が「自然」と呼ぶものに
人間が「守る」ことがあるのだろうか。



 カヤハゲの天辺で皆で考えた。
 「このジジイが頑張りゆうき
     三嶺まで行ってもうや」


               


  山上のことに晴れたる濃竜胆  池上浩山人