猿板

遊山黒子衆SARUの記録

台風一過の奥物部遊山 稲穂並

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 菌類は人と同じ頃に地球に生まれ
人や動物と同じように炭素を食べて
CO2を大気に還す役割を担っている。

◆今日も朝

 「ぐっすり眠れたね」

昨夜は樹々のざわめきと沢音が心地よく
そんな街では味わえない深い眠りを
それぞれ台風から頂いた夜だったよな。

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「昨日はよく吞んで食べたねぇ」

残りものはおじやでさらえて
ゆっくり片付けて帰ろうかねぇ。

 しかし具の量が凄いね(苦笑)

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◆人のなごり

 「これ杣人がいた名残り」

 昭和の頃までこの山域には
長期間小屋を立て炭を焼いたり
木地を求める杣人がいたと聞く。

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この徳利も大切に使って
ここで働き泣いたり笑ったり
色んな人生があったんだろうな。

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◆地球で生きること
 今日も焚火を楽しんだ。
私はこれが人間に彼らが託した
最も大切な役割と思っている。

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食物連鎖はCO2を食べる植物から始まり
その他の生き物はCO2が食べられないから
植物が取り出した炭素を頂いて身体を作る。

 今言われる「低炭素社会」って何だろう。

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生物だけでなくセメントも鉄鋼も炭素で
人間は炭素なし生きて行くことは出来ない。

 「低炭素社会」とはどう変えたいのか。

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◆かえり道
 自然は変化の時に美しい風景を見せ
その中で激しい変化が「嵐」だと思う。
今回は台風が残した飛沫舞う森に分け入り
澄んだ大気で月見の宴を仲間と楽しめた。

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そして台風一過の吹き戻しで樹々が
増水した渓水が奏でる音のなか
過ぎた台風が引き込む雲の隙間から下る
日差しと霧雨のきつねの嫁入りの風景。

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 「水が澄んできたね」

 夜は森の生き物の目線で見上げた月。
寝袋に入れば樹々のざわめきと沢音が子守歌。
そんな街では味わえない至福を台風に頂いた。

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 最近台風も異常の様に報道している。
かえり道山里の台風を耐えた稲は金色に輝き
曼珠沙華が今年も鮮やかな色を添えていた。

 台風がないと美味しいお米も獲れないよな。

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                        美しき稲の穂並の朝日かな  路通