焚火にしっかり炭が出来て
熾火で焚く飯盒炊爨が始まった。
私は蒸らしを十分したい人だから
その間にテント設営のレクチャーを。
◆飯を炊く間に
雪山泊を目指す彼女には
テント張りが最も大切で
どんな状況でも1人で張れる
経験と技術が必要となる。
◆山の宴
今宵の寝床を構えたら
安心して宴をはじめられる。
今日のメインは自然の恵み
森のキノコの寄せ鍋だった。
お酒もいい頃合いかな。
山で食べたら何でも美味しく
料理はお手軽でいいと思う。
◆焚火のこと
二次会の肴は焚火の香り。
薪の煙は刺激はあるが怖くはない。
しかし他の生物の殆どは煙を嗅ぐと
一目散に逃げてしまう。
私は薪の炎に覚える安心感は
焚火を繰り返してきた祖先が残した
他の動物を避けられる記憶だと思う。
「気持ちいいですね」
どれくらい吞んだか忘れたね。
◆かえり道
森に朝が来た。
昨夜の熾火が目覚めたら
寄せ鍋をおじやでさらえて
ゴトゴト準備して帰るかね。
焚火を熾せば植物は喜ぶ。
それは生物の身体は炭素で出来ていて
炭素は植物だけが二酸化炭素から取り出せる。
その全ての生物の食べ物のCO2は
かつて地球の大気に95%あったが
生物が誕生し繁栄し地下に埋まってしまい
現在では0.04%まで減ってしまった。
そしてこのまま何にもしないと
植物の食べ物CO2が無くなり
地球上に生物は住めなくなる。
低炭素社会って何を言ってるのか?
その深く埋まってしまった炭素を掘り出し
火を操り再び大気に還せるのは人間だけで
私は彼らが地球上の命を長らえるため
人間を造りその役割を与えたと思っている。
初めての山泊はどうだった。
でもこれからが本当の山道が始まる。
さあワイズさんの雪山泊目指して
次はどこに行こうかな。
なめらかに煙伸びゆく焚火かな 阿波野青畝