猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初夏の八ヶ岳遊山 風の歌

流れる

 行者小屋に向かう
峠に差し掛かったとき
八ヶ岳を覆う雲が動き始めた。
◆雲が動く
 「横岳が見え始めた!」
前線が北に動き始めたのか?
この時空気が冷たいものに変わり
変化の時が近いことを感じました。

◆尾根に取り付く
 冬期ならアイゼンが効きますが
粘土状の赤土が土壌を成す
文三郎尾根の雨上がりはつらい。
               
でも厳しい環境に生きる
ハイマツや石楠花の姿に
歩け歩けと励まされ

私達は意外と心地良く
稜線に上がることが出来ました。



◆観天望気
 リアルタイムに天気図が取れない
山中で頼るものは雲の動きだけ。


           
この時低気圧の端に発生する
レンズ雲のなりかけが見て取れ
風は回復するぞと教えてくれた。



 「青空が見えたで!!」



◆変化のとき
 山域を覆っていた
厚い雲が動き始め
主峰赤岳が姿を現し


            
山麓から吹きあがる風が
雲を天に巻き上げ
阿弥陀様が目の前に現れた時


 稜線から歓声が上がりました。



                           夏空へ雲のらくがき奔放に  富安風生