石鎚山には代表的な3つの道がある。
一つは最も新しい土小屋ルート。
一つはリフトのある成就社の表参道。
そして面河から歩いて登る裏参道。
◆裏参道
私は最も時間を要する
裏参道を好んで登ります。
それは照葉樹から亜寒帯の森まで
四国の植生全てを体験できるから。
◆原生の森
かつて旧営林署による
大規模な伐採に遭った四国の山で
厚い信仰心に守られたこの森には
原生の遺伝子が生きています。
その数百年を生きた大木の間を
縫うように登る石段の全てに
古から続く先人の「心」を感じます。
◆川出流処
懐かしい水場に腰を下ろす。
「この水を沢山持って帰ってたね」
岩の間からこんこんと湧き
太平洋を目指す川の源に
ウリノキの花が揺れていました。
◆天を目指し
無心に稜線を目指し登る私達を
柔らかい木漏れ日と蝉の声が包む。
天を貫く霊峰の矛先が現れました。
蝉鳴けり泉湧くより静かにて 水原秋櫻子