猿板

遊山黒子衆SARUの記録

穀雨の三辻の森遊山 春風

                       

 「今日は咲いちゅうで」

先回早かった唯一黄色の躑躅に合わせ
同系色のザックを背負ったtochikoと
主稜線を巻き峠に下る杣道に入った。

◆潅木の林

「緑のトンネルになる処」

 おそらくここは昭和の頃まで
薪取りや炭焼が続いていたようで
高木はいない中低木の林を抜ける。

◆すみれの道

「先週より咲いたね」

 人が関わった環境だからこそ
自然に入れない種の生きる場になる。

    小さくても健気だよな。

               

「叡山菫は存在感があるわ」

日本には日当たりの良い山野に
スミレが約50種が自生している。

  極相林じゃ生きられないからな。

 そんな恵み多い柔らかい自然を
神として頭を垂れ共生してきた祖先は
世界最古の文明を築いた事が解ってきた。

 その遺伝子は僕らに生きている。

      

◆つつじの峰

 お楽しみやね。

 先にある古の峠の片壁を成す
岩稜に立つ標高1050mの岩山が
tochikoお気に入りの躑躅の住処。

「アケボノは咲いちゅう」

 皆さん大好きなツツジたち。
それぞれ好みがあるから楽しめる。

    ミツバはこれからや。

               

「咲いちゅうで!」

 標高約1050mの天辺に群生する
日陰躑躅のお日様を纏う色合いは美しい。

       今年も会えたな。

「えい風吹くねぇ」

 訪れる者も少ない躑躅の開花で
今年のtochikoの花巡礼は万行した。

   第二の人生に力をもらえたな。

◆かえり道
 海に囲まれた日本の四季は
毎年同じ風景はなくその年々の
一期一会を楽しむことが出来る。

     「ブナも咲いたで!」

 それを満開や残花など
その年々で楽しむことも出来る
日本は恵まれた国だと思っている。

  いつかブナ嵐に遭いたいな。

                                     

「えい遊山やったね」

 tochikoの花巡礼が終われば
春紅葉を求める山道がはじまる。

 今年はどんな夏になるろうねぇ。

「紫のツツジ咲いちょったかえ」

  「山にはおらんけど
     来る途中咲いちょったで」

 あれはキシツツジですよ。

                                                           

「この前に帰った後 人凄かったき」

    「有名になりゆうがや!」

 「たまたま団体さんが来たがよえ」

今日も予約席ありがとうございます (^_^)

                春風や山のむかふのさそひ状  豊田都峰