今日は雨のあと
新緑を照らす空は五月晴れ
なんて清々しい朝だろう。
◆登り口
木洩れ日下りる登り口。
気温は15度といい感じで
時折抜ける風も心地よい。
「藤が咲いちゅうで」
ここにもおったがや
30年気付かなかったなぁ。
◆林道のこと
「涼しくなったねぇ」
林道に添う木々の葉は出揃い
涼風抜ける緑のトンネルとなった。
昔は暑かったなぁ。
「ヒキガエルが鳴きゆう」
特に樹々は葉を出し緑濃くなる頃
多く水を吸い上げ蒸発させるため
樹下の空気から気化熱奪い涼しくなる。
「橡が咲いちゅうで」
いい時に来たかもな。
◆花のこと
「二人静が咲いたね」
林道に下る渓には
ウワバミソウが満開だ。
私は初夏この林道の主役は
卯の花だろうと思っている。
古来日本では生垣などに植えられ
江戸の俳人にも詠まれてきたが
自然林で会うことが希なウツギも
人に寄り添って生きて来たのだろう。
ヤマゴボウ。
君も僕らと同じ新参者だよな。
◆森のこと
「新緑は
稜線まで上がったね」
木の間から見る西熊山は
新緑を纏い五月晴に照らされる。
夏が咲き始め春が実を結ぶ
季節変わりのいつもの林道。
寒暖押し合いが続いて
雨と晴れを繰り返すなかで
命達は今年も時を刻んでゆく。
私はこの頃の森が大好きだ。
卯の花や水の明りになく蛙 一茶