西島の笹原に出る。
前線が引き込む強い風が吹き
厚い雲が目の前を流れていた。
◆居場所に帰る
百回に1回千回に1回の
風景を求めて通う剱山で
なじみとなった山小屋が見えた。
どうやら紅葉はここまでやね。
◆静かなとき
山上の鳥居を潜り
剣山頂上ヒュッテに着いた。
このとき山頂部は雲に覆われ
これから眺望は期待出来ないだろう。
これも今日の一期一会。
夕食までのんびりしようか。
この山小屋には風呂があり
汗を流した後の一杯は格別だ。
◆豊かなとき
「いつも同じものですいません」
いえいえ私達にとって
たまのご馳走ですよ。
自家製野菜に手作りコンニャク
ここの料理は材料まで手作り。
アマゴの唐揚げ
祖谷蕎麦も私の好物だ。
◆夜が更ける
朝まで雲の中だろう
風も強く紅葉が心配だ。
今日は早く寝て
明日の風景に期待しよう。
山くれて紅葉の朱をうばひけり 蕪村