女性陣が集めた薪で
安定した熾火を作るのは男の仕事。
これは「差別」ではなく「役割分担」
私達は「割り勘」より「持ち寄り」だ。
◆森の宴
日暮れまでたっぷり時間はある
ちょっと早いけど
ゆるゆる宴を始めようか。
ここでも女性は元気でいい。
◆口福時
熾火が出来たら
夕食の支度が始まる。
今宵のメインは檮原のキジ鍋。
ろくべえさん達が持ち寄った
具材もたっぷり入れる。
熾火で焚いた飯もいいが
森で気の合う仲間と囲めば
何でも美味しいかもしれない。
◆たそがれ時
お天道様が傾き始め
空の色が変わってゆく。
この日暮れに向かう
空のグラデーションが美しく
自然は変化の時にいい表情を見せる。
人生も晴天ばかりじゃつまらない。
「ここ良いわぁ・・・」
いや まだまだですよ。
来る度に風景が変わりますから。
◆火の粉舞う
やがて森のまほらは
静かな夜の帳につつまれて
火の粉たちが姿を現す。
焚火は安心感を与えてくれる。
それは炎で守られた記憶かもしれない。
例えば吸血虫は煙を嫌うものが多い。
また四国の熊は一回り小さく
人を狙う動物はいなかったと思うが
焚火により火と煙を嫌う生き物から
大切な食料を守った事もあったろう。
やがて火の粉は星になる。
そんな焚火の傍はよく眠れる事を
私は今まで何度も体験してきた。
今晩もいい夢見れそうだなぁ。
落葉焚空をけぶらす遊びして 手塚美佐