嶺北の中心部土佐町からは
樫山越えや赤良木越えなど
1000m余山々を越える往還が
古くから利用されてきた。
◆山頂の風
かつて様々な思いを胸中に
早朝の深い霧の中を出立し
往還の峠に立った山間の人々は
どんな想いで太平洋を眺めただろう。
◆思い出の中
「いや~ まだあったね!」
山頂直下にある東屋は
かつて赤良木園地として
整備されたものの一つ。
当時のテーブルと椅子は
朽ちて土に還りつつあるが
東屋だけは残っていた。
◆かえり道
「いい山やったんやね」
30年ぶりに訪れた山に感動したのは
きっと山の見方が変わったのだろう。
本は何度も読み返し理解が増し
旅も繰り返せば味わいが出る。
山も通えば風景がより深くなる。
これからもそんな山道を歩きたい。
「炭焼きしよったがやね」
全ては山に還っていくのだから。
◆峠の茶屋
この日もお昼は
隧道口の直販店に立ち寄った。
今回の遊山はこの蕎麦も目的だった。
「あんまり人行かんけど
三ツ辻山もえいがねぇ」
あとで聞いた話によると
昔峠には茶屋があったという。
そこはきっとここみたいに
温かい場所だったんだろうなぁ。
海照ると芽吹きたらずや雑木山 篠田悌二