のぞみに食べさせたくて
tochikoが持ってきた猪肉缶詰。
のぞみは猪猟もする強者だ。
◆口福のとき
「一缶1000円やって」
のぞみも頑張ればお金持ちやんか。
そんな笑い話も交える山上の食事は
何を食べても美味しく感じるもんだ。
「カップ麺もね」
山で手の込んだ料理は勿論美味しいけど
インスタントだって十分満足出来るよな。
◆ひきどき
私達が昼を終えたとき
雲海は静かに天に昇りはじめ
上空の雲が暗くなってきた。
面白い自然現象だな。
まだ大丈夫と思うが
そろそろ降りたほうがいいな。
◆遊山の果て
下界の降水確率では
山の天気はわからないけど
私も30年山を歩いてきたが
今も思いっきり外すことがある。
でも毎回「私の予想は外れる」と考えて
装備を整えて行くから何とかなってきたし
予想が当たったときの「喜び」は大きい。
だからどんな天気でも
長年殆ど毎週に山に入って
一度も後悔をしたことはなく
いつも「来てよかった」と感じてきた。
そんな山歩きも日常や人生も
いつも「物事は上手くいかない」と
思った方が温かい人生を送れるのではないか。
登山口に近づく頃には
空はすっかり暗くなっていて
帰り着いた高知市内も雨降り。
今回は霧の中から晴天の大雲海へ
そして雲の下は雨降りと何だか
狐につままれたような遊山だった。
髭白きまで山を攀ぢ何を得し 福田蓼汀