ここは山火事を繰り返してきたが
その灰は肥やしとなって肥沃な土壌となり
私が子供の頃は春に山菜が沢山採れていた。
だから山火事も生物多様性には必要かもしれない。
◆街を見下ろす
足下に私の家も見える
視野が開けた高見山から下る道。
この高度感もまた気持ちがいい。
◆庶民の森
山道は開けた高見山から
鬱蒼とした落葉樹林に入ってゆく。
ここはかつて落葉などを集める森で
田畑の肥やしにしていたと聞いた。
その森には木洩れ日が注ぎ
若木の芽吹きが始まっていた。
◆人が関わる森
山道は薄暗い植林を下り
鷲尾山へ登りが始まる鞍部に降りる。
ここはかつて土佐藩の薪を賄う山であったが
今は戦後に植えられた杉山になっている。
薄暗い林には
アオキが濃い緑の葉を輝かせ
昨年秋の実が赤い色を添え
若葉の芽吹きが始まっていた。
私は日陰でも強く生きる
アオキが好きなんだなぁ。
◆稜線に上がる
山道は杉とアオキの林を
葛籠折れに登り南嶺の稜線に続く。
宇津野山から烏帽子山まで
東西に並ぶ南嶺の主稜線に乗れば
南国らしい照葉樹の森に入る。
春浅き空へさし入る木々の末 星野恒彦