猿板

遊山黒子衆SARUの記録

夏至に入る剣山遊山 夏山

                                                 

窓が明るくなって目覚めた。

 よく寝たなぁ。。。

と言うか寝過ぎてしまった。

◆山の目覚め

 遠くで老鶯が鳴いている。

 朝の風に乗ってくる様に
コガラの囀りも聞こえ始め
雲もいい感じで流れていた。

「綺麗じゃな」

 山神様は撮影した
写真を確かめている。

 晴天ではつまらないかも。

                             

 いい朝ですね。

  「そうじゃな。
    頂上見てくるけんな」

◆山小屋の朝
 さてtochiko起こして
帰り仕度でもしようかなぁ。

                       

「いつも最後ですいません」

  「いえいえ 
    ゆっくりお上がり下さい」

 感謝して頂きます。

◆かえり道

「こんな気持ちがいい
  山小屋は他にないですよ」

 これはよく聞く話で
40年の山道で僕もそう感じている。

                                                 

スタッフ一人一人が他の役に立つ
利他で一つの山小屋を成しているのは
森を成す命たちと同じ様に感じている。

 お前もそうだよな。

 激動してきた地球環境で
生きるためには個では弱いから
単細胞から多細胞生物に進化して
利他の群を成し生き残ったのだろう。

            

 それを自然から学んだ僕らの祖先は
災害時など「お互い様」の心で一つになれる。
そんな日本に生まれて本当に良かったと思う。

  「夏が来たね」

◆より道

「来る思うて待ちよったんよ
     お茶とおかきをどうぞ」

 じゃ 僕は一杯頂きます (^_^)

               

「ただいま帰りました」

     「お帰りなさい」

 ざる蕎麦が美味しい
   季節になりましたね。

「気持ちよかったね」

 森が青葉で覆われて
生命力に満ちあふれたみずみずしい山。

  そうやね。 また夏が来たな。

                 夏山を洗ひ上げたる雨上る  今井つる女