猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小満に入る奥物部の遊山 桜の実

                                         

 「これ山桜の実やね」

 tochikoが追う山桜の処。
炭焼や薪取りなど古くから人が
関わったこの森には山桜が多い

◆落とし物

 食べれるろうか。

 桜の花のあとにつく果実。
小豆ほどの球形で熟すると黒紫色になる。
地方によっては「さくらんぼ」という。

この山桜を気にし始めて
初めて拾ったさくらんぼ。
これも通い続けて気が付いた
山桜からの呼びかけなんだろう。

                             

◆出会うこと
 今年も鳥たちが森に帰って
姿の見えない囀りが渓に流れる。

 「あそこに止まった!
    何かくわえちゅうで」

 コガラやね。

比較的警戒心が薄いスズメ科は
人の近くまで寄ってきてくれる。

      虫やろうか?

                                                                   

「なんか動きゆ!」

 ムジナ(穴熊)やね。

春になると命は忙しくなる (^_^)

◆調和すること
 命との出会いは楽しいもので
中でも植物が多い様に感じている。
それも森の周りの林道や山里など
人の手が入った処ほど多いもの。

                                                           

例えば帰化植物とはいっても
私達人間も稲も元は外来種
風や鳥や人が運んだもの。

日本に生きる殆どの命は外来だが
そもそも自然に国境があるのかな?

                 
辿り着いた処に調和したものらが
生き残って新しい自然を造ってきた。
「環境」とは自然が造るものでなく
命らが調和し造ると私は感じている。

◆森を見ること

 「あそこがナロでね」

 山道は渓へ急峻に切れ落ち
北に視野が開ける地形に上がった。

     まだ春紅葉がみえる。

 二人で30年通った森にいる
tochikoの森のお母さんはどうだろう。

 「花咲かせて
     待ちゆうき」

                  うるはしき玉の緒なれや桜の実  桜井梅室