猿板

遊山黒子衆SARUの記録

夏至に入る剣山遊山 夏星

                                                   

 西島尾根を辿る山道は
標高1900mを越え山頂部となる
霊峰剣山の主稜線に上がる。

◆帰るとき
 不浄の侵入を禁ずる注連縄を潜り
標高1,955m剣山山頂直下に建てられた
山神様が60年守ってきた山小屋に帰る。

古代信仰の神は高き山にあるとされ
国生みの原点である淡路島から見て
最も高い山である剣山は霊峰として
神話の頃から認識されていたと伝わる。

                       

◆山頂に上がる

「頂上観に行こうや」

   たまには上がらんとね。

 剣山山頂はその名に似合わない
笹に覆われたなだらかな草原にある。

「今日は静かやね」

人も少なく風も穏やかな山頂。

     さあ 帰ろうや。

                                                   

◆居場所に帰る

「ただいま~」

   「お帰りなさ~い」

一番遠い居酒屋とtochikoが言う
僕らのかよう居場所に帰ってきた。

「綱男さんの登ってきてます
   おでんでも食べていて下さい」

 いつの間にかアルバイトさんたちも
顔見知りになり土佐に遊びに来る様になった。

               

「お待たせしました
   まずは乾杯じゃな」

 程なく山神様が
小屋に上がってこられた。

◆温まること

「風が気持ちえいな」

 一息ついて
お湯を借り表の風に当たる。

                       

「雲海じゃな」

 通い始めて何年になるだろうか。
互いの家も行き来する親戚の様になった。

     「静かですねぇ。。。」

 差しつ差されつ語り合い
今回も多くの学びを頂いた
山神様ありがとうございました。

               

 ここは僕らの心を洗い
温める大切な居場所だよな。

   「綺麗に撮れたね」

                  夏星や草木に人の息かゝり  飯島晴子