等圧線の僅かな蛇行により
ぶつかり合った大気の影響により
山頂には強い風が吹き抜けていた。
◆帰るとき
「ただいま帰りました」
昭和30年に建てられた山小屋に
初めて訪れたのがちょうど30年前で
通い始めて10年になる私達の居場所。
「まずはこれやの」
◆静かなとき
「仕事してくるけんな
後でゆっくりやりましょう」
山神様は昼の洗い物を
楽しそうにかたづけていた。
小屋はきつい仕事ではあるが
私たちサラリーマンでは
決して感じることが出来ない
醍醐味や喜びがあるだろうな。
影剣が大きくなってきた。
そろそろ夕食を頂こうかな。
◆温かいとき
いつもの手作りが運ばれて
いつもの満足感を覚えたとき
「二次会じゃ」
と笑顔の山神様が現れた。
コロナ騒動で人数制限のお陰か
この日はいい出会いも頂いた。
「遅くなりましたが
河童さんのお誕生日ケーキです」
若いスタッフの手作りも心に染みたよ。
ありがとうございました。
◆懐かれるとき
日暮れから頂を覆った雲は
夜半を過ぎて薄くなってきた。
三脚担いで上がった山頂は
月は沈んでいたものの
満天の星が迎えてくれた。
目が覚めてよかった。
これで秋の締めとしようかな。
星月夜空の高さよ大きさよ 尚白