猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の道具箱 身を守ること

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 昭和36年1月3日
高知徳島県境の三嶺頂上部において
高知商業山岳部の生徒3人が全員遭難死した。

◆記憶のこと
 その遭難の慰霊に上がられた
同山岳部のお仲間と会ったのは
もう25年前になるだろうか。

◆道具のこと
 最初リーダー格の若者が
山頂直下で強風と低温で滑落遭難し
パニック状態に陥った2人が
急を知らせに下山する途中亡くなった。

      
 「今の下着と装備があれば
   助かっていたと思いますよ」

そのパーティの方々は口々にそう仰った。

◆山道具屋のこと
 2019年警視庁がまとめた
全国の山岳遭難事故は
2531件発生し遭難者は2937人
死者・行方不明者は計299人であった。

   
私達も道具の大切さは
身をもって体験していて
先達の教えに大いに助けられたが

 今の登山者はどうだろうか。

私達が学んだ様な町の山道具屋は
メーカー直営店や通販に押され
殆ど絶滅に近い状況にあるが
登山技術の継承はされているのか。

            

交通の便が良くなった現在
山頂は以前よりずっと近くなったが
自然は何も変わってはいない。
私は今の日本登山文化が心配でならない。

                  来世には天馬になれよ登山馬  鷹羽狩行