さほど雨に遭うことなく
雲に覆われた山頂の鳥居を潜る。
台風が引き込む雲は読めないなぁ。
◆居場所へ帰る
「ちょっと
身体冷やしていくき」
頂は湿度が高いようだが
涼しい風が吹き上がり気持ちいい。
◆祝われること
忘れ物をすいませんでした。
「まあ 駆け付け一杯やって」
いつもの笑顔が迎えてくれた。
この日は私の誕生日。
この歳になって意識はしてないが
やっぱり嬉しいものなんだなぁ。
ありがとうね。
◆かえり道
毎年迎える誕生日は
嬉しいか?嬉しくないか?
地球初の大脳支配動物である人間は
脳が自らを感じて身体を維持する。
例えば老化を止めることは出来ないが
自分は若いと脳に言い聞かせ続ければ
遅らせることが出来ることは
科学的にもあると言われている。
「寿命」も同じことで
「他の役に立っているか」どうかで
その人の余命が決まるとも考えられ
それをいつも神に問われているのだろう。
そうであれば誕生日は祝われるより
祝う人の方が温かい人生を
送ることができるのではないのか。
「陽が差してきたね」
山荘の鏡に移る秋の雲 松本澄江