標高1955mの山を神とする
山の鳥居を潜り私達の居場所に帰る。
この騒動で2ヶ月空いたねぇ。
◆頂に上がる
「頂上いくでね」
この時剣山は梅雨前線が運ぶ
変化に巻かれている様な気がした。
東西に長い四国山地の東端にあり
石灰が故に2000m近く標高を上げた
剣山は独立峰の様な特殊な気象があり
天気図では読めない風景を見せてくれる。
「明日が楽しみやね」
そうやね。
小屋に帰って乾杯しょうや。
◆静かなとき
「まあ駆け付けやって」
背負い上げた土産と心の交換。
「お帰り」だけでえいのにね。
「気持ちえいき
表で吞もうや」
今日は暇ですからと
スタッフも付き合ってくれた。
雲が舞う。
今だ続くこの騒動も
早く収まればいいのにね。
「表でやってますか」
山神様も上がってこられ
この日も貴重なお話しを
たくさん聞くことが出来た。
ありがたい。 有り難い。
◆温かいとき
「いつも同じやけん
賄いを一緒にどうですか」
語り合い よく笑った。
この温かい一時は心の栄養となる。
まだまだ
通わないかんねぇ。
山小屋は霧を入らしめ締まりせず 山口誓子