かよう道で見つけた
なかなか美人さんなクマノミズキ
ミズキのようなテーブル状ではないけれど
わさわさ感が美しい
花期が長く油断していたら
早実を結んでいました。
雲の上の町も
雨が降り続き
子供の頃泳いだ小さな川が
姿を変えています。
故郷ではあっても
町に暮らし忘れていた感覚が
風と空気の中で徐々に蘇ってきます。
どうか被害が出ませんように。
里の奥では
野草を大切に育てられている植物園の
キレンゲショウマが咲きはじめ
薄暗い林床に灯る
黄色いぼんぼりのような花だけは
雨を喜んでいるようでした。
かえり道
峠を下る
町に近づく毎に広くなる川は
風に煽られた栴檀の木の向こうで
煙っていました。
荒梅雨や山家の煙這ひまはる 前田普羅