ヌル谷のナロを過ぎ
ほどなく朝陽が差しはじめた。
ここまでアイゼンなど要しない
抵抗のない新雪に覆われていた。
◆tochikoの栃
橅たちの森にはいり
この森の主のような栃に至る。
樹齢300年とも言われる老木だが
まだまだ樹勢に衰えは感じない。
◆新雪の道
暦は立春に近づき
森に射す陽に春を感じるが
キンと冷えた空気は真冬のもの。
積雪に溶けた様子はなく
ここまで無雪期のペースで
順調に標高を稼いでいた。
◆冬の道
尾根の南側を巻く
夏道の始まりから直登ルートに入る。
ここからは急登となるため
滑り止めにアイゼンを履いた。
20分ぐらいで尾根に乗り
それほど南斜面の雪には抵抗がない。
この調子じゃぁ
スノーシューの出番はないなぁ。
新雪に魚影のごとく映りゆく 今井聖