修験場であったことを伝える
滝の左岸の鎖場を梯子で登り
真名井の滝の頭にあがった。
◆滝頭のこと
四季折々変化を見せる滝の一段目は
自然が造った日本画の様な風景を見せる。
苔も葉の緑もいい感じになったな。
渓へ切れ落ちているため
いつも涼しい風が吹き上がる
真名井の大岩の天辺にある東屋。
休んでいこうか。
「珈琲あるで」
ここでドリップしなくても
朝の残りで十分だよなぁ。。。
「森で美味しく 贅沢でねぇ」
◆まほらのこと
一休みしたのちに僕らが
この山のまほらと感じる森に降りた。
そこは独立峰梶ヶ森の稜線直下で
吉野川支流の佐賀山谷川が始まる森。
「霧も流れて来ゆで」
今日の霧は山に架かった雲で
危険を知らせるものではない。
「一天にわかにかき曇る」じゃない。
「まほら」とは「マホ(真秀)」に
漠然と場所を示す意の接尾語ラの付いた
優れたよい所が山霧が流れ来る先にある。
◆森の中のもう一つの森
「カッコウ鳴いた」
地球は表面の10分の7が
水で覆われた「水の惑星」と言われ
人間も約60%が水で満たされている。
だから街で不快に感じる湿気を
自然に還れば気持ち良く感じる。
それは正常な感覚だろうと思う。
ここが気持ちいいんだろうな。
さあ 帰ろうか。
◆かえり道
近年世界四大文明も遙かに及ばない
5万年は溯ると解り始めた日本の文明は
世界でも類を見ない柔らかい自然に守られ
崇め奉った神は教祖ではなく自然だったろう。
量子力学が発達すれば解ると言われる
五感以外の伝達方法も当時日本人は感じて
自然や生き物と共生していたと考えないと
説明できない事が少なからず確認されている。
「えい霧やねぇ」
それは「虫の知らせ」などがそうで
最近米国での実験でテレパシーが確認され
姿が解れば世界は大きく変わると言われる。
「気持ちよかったぁ~」
欲は過剰になるもの。
お釈迦様の「足るを知る」は
この様なことだろうなぁ。。。
「雨に遭わんかったかえ?」
「雨は降らんかったけど
霧が気持ちよかったで」
頂きます (^_^)
真清水の音のあはれを汲みて去る 黒田杏子