猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小寒の加持ヶ峰遊山 湯気

                                                           

 修験場であった事を伝える
鎖場に架けられた階段を登り
真名井の滝頭に上がった。

◆滝頭のこと

 「上も凍ってますね!」

 滝頭の二段の滝が見せる
四季の風景も楽しみにしている。

 いい冬の設えだなぁ。。。

◆森の中のもう一つの森

 「綺麗やねぇ」

 山道が降りた佐賀山谷川出流
この森のまほらと感じる処には
晩秋のような風景が待っていた。

 渓の源流に導くような
なだらかな渓の回廊を溯る。

 「源流は凍っちゅうで」

                 

 蕭々たる晩冬の枯れた森も
樹々は落葉しても生命活動をし
樹皮に隠れた虫を動物らが追う
命の輝きを感じる事が出来る。

 「森が映っちゅうで」

その様な侘び寂とはまた違う
自然の真の営みを見据える山を
これからも歩き続けたいと思う。

                             

◆温かいこと
 源流の渓から稜線に上がり
梶ヶ森の隠れ家に向かった。

森を抜けた稜線の風は強く
再び冬型に向かう事を告げていた。

 「さあ着いたで」

                 

 この日のお昼はY'sが
土鍋ラーメンを荷揚げてくれた。

 湯気の向こうに幸せが見える。

    冬の山もいいものだなぁ。。。

 

◆かえり道
 新暦旧暦とあるがこの頃が
正月になるのは人類共通の感覚の様で
エス様が生まれたあたりのXmasも
今まで沈みつつあった太陽が再び昇る。

           

再び明るくなってくるという人類の希望。
今日より明日が良くなるという太陽が
この頃にはっきりしてくるというのが
Xmasであり正月の時期ではないのかな。

 アフリカを発したとされる祖先が
太陽いずる処を求め東へ移動したのは
今日より明日がよくなると言う希望が
人間を目覚めさせ努力し幸福になって行く道。

                       

 「よく笑いました!」

 今日より明日がよくなるという中で
人間は幸福感を味わうのだろうと思う。

 さあ 今年はどこに連れて行こうかなぁ。

                 湯気立に遠く枯木といふものあり  下村槐太