修験場であった事を伝える
鎖場に架けられた階段を登り
真名井の滝頭に上がった。
◆滝頭のこと
滝頭の二段の滝が見せる
四季の風景もかよう楽しみの一つ。
日陰で涼しく芽吹には早いが
これも今日の一期一会だろう。
いつも休憩する
真名井の大岩の岩頭にある
東屋には四季折々の風が吹く。
風が有り難い
季節になったな。
◆まほらへ下る
東屋で借景で珈琲を楽しみ
この森のまほらと感じる渓へ下る。
「あれ 橅の花でね!」
上向きに咲くのが雌花
葉から垂れ下がるのが雄花
両方しっかり確認出来る。
今年は表年かもな。
◆森の中のもう一つの森
「芽吹き始まったとこや」
この森のまほらと感じる
紅葉谷と名付けられた渓の木々は
長い春の眠りから目覚めはじめていた。
この渓の回廊が導く先に
佐賀山谷川出流ところがある。
「陽射しが綺麗なね」
春に目覚めたばかりの森は
澄んだ春の光に満たされていた。
水の音も気持ちがいいな。
◆かえり道
「空気も春やね」
森の光合成が始まれば
空気の香りが変わる。
若葉の香りやな。
「ブナは実をつける気や!」
鳥の目線で森を観れば
背の高いブナがヤル気満々で
咲かせた花がたくさん見えた。
樹が毎年多くの実をつけていると
動物が増えて種を繋げなくなるから
表と裏年で動物の数を調整するなら
お互いの為にはいいことだろう。
でもどうやって個々に伝達しているか?
五感に頼る物理化学では解っていない。
「いい遊山やったね」
「また来てくれたが!」
「今日も梶ヶ森入っちょったで」
「滝にアケボノツツジ咲いちょった?」
棚田もきれいやったで。
「そうそう
あの棚田がえいがねぇ」
「ここのご飯も美味しいで」
まあまあ 僕は頂きますよ (^_^)
花曇はこばれながら鳴る琴よ 沼尻巳津子