静かな朝でした。
「囀りも聞こえんね」
ほぼ葉を落としきった木々と
実を落とした草木の
枝の先には
冬を越す芽が明るく輝いて見えました。
追いかけている山桜の影が
落ち葉の道に伸びる朝
ここは野鳥も蝉も賑やかだった場所
今は明るい落葉樹の道です。
頂上から光る太平洋を眺め
下り始めたとき
躑躅の枝に乗せるようにつくられた
鳥の巣に出会いました。
そういえばここは藪の中から
騒がしい囀りが聞こえていたところ
器用に組まれた枯れ草が
とても温かそうに見えました。
枯草と一つ色なる小家かな 一茶