「咲き始めやったき
ここの山桜は終わったね」
2週間ですっかり若葉に覆われた。
あの後の雨でずいぶん進んだな。
◆静かなこと
誰もいない静かな登り口は16℃。
空は薄い雲が風と共に静かに流れて
林道歩きには最適だろうな。
◆芽吹くこと
「若葉に越冬芽の赤が
いい感じと思わん?」
この時期だけの一期一会。
えいねぇ。。。
「気持ちいいなぁ」
冬の眠りから目覚めた木々が
発芽と共に深呼吸して空気が変わる
この時期森は新鮮な空気に満たされる。
「栃も芽吹いた」
ウワバミソウも出たで。
陰湿地に群生するイラクサ科の多年草。
若い茎葉は柔らかく多汁でさっぱりした美味。
6月頃淡黄緑色の小花を葉腋に密生。ミズナ。
◆花が咲くこと
「躑躅はこれから
ミツバからアケボノやね」
ツツジ科の落葉低木。三ツ葉躑躅。
日本中部の山地に生じ葉は菱形で3枚輪生。
春に若葉に先立ち紅紫色の美花を開く。
これから林道の花たちは
春から夏のものに移ろう。
「夏には卯の花」
◆若葉のこと
「晴れた」
寒冷前線が東に去って
南四国は晴天域に入ったようだ。
姿の見えない鳥の囀りも
西熊山も気持ちよさそうだ。
陽射しを透かし若葉が輝く。
この風景こそが若葉の本質。
そしてこの時期の奥物部の旬は
四国で他にないこの林道だろう。
植物を育てる雨が降る穀雨。
なんて美しく優しい言葉なんだろう。
うすうすと色を重ねて山笑ふ 稲畑汀子