深山の滝を造った大岩の
左岸の急登を山道は登って
滝頭から上流の自然林に入る。
◆滝頭に上がる
梶が森にはこのような
大岩が稜線近くまであるのが
独立して聳えた理由なんだろう。
龍王の滝の頭には
大岩が堰き止め出来た釜が
四季折々の風景を見せてくれる。
また冬枯れから始まるな。
◆自然の森
渓に架けられた橋を渡り
流れに沿った自然の森に入る。
「春が始まった」
自然が造った森では
大地から春が始まる。
「一輪草が咲くで」
存分に成長した木々は
下の命が十分光合成をするまで
見守るように待っている。
「朝陽が射しだした」
この調和が取れた森が
街で増えたエントロピーを
下げてくれるから気持ちがいい。
◆信仰の域
次第に渓を挟む尾根が迫り
山道は石門の様に左右に並んだ
岩の間を登り祈りの域に入る。
斜面に真っ直ぐ伸びた
古い石段を登れば広く平らな
定福寺奥ノ院の境内に上がる。
休んでいこうや。
今日も静かな軒先を借りて
温かいお茶を吞みたいな。
きりぎしに仏を刻み一輪草 飴山實
