薄暗い作業道を登る近道は
三辻山南斜面を上がる登山道に入り
程なく工石山から続く稜線に上がる。
◆赤良木園地
山道は山頂直下の窪地にある
忘れ去られた昭和の園地に降りる。
ここには大きなヤマザクラがあり
毎年の開花がtochikoの楽しみだ。
◆三辻山(標高1108.1m)
土佐町の南の原生林が残る山。
かつてこの山域は土佐藩の「御留山」で
檜、樅、栂、五葉松などの巨木があった。
東の鞍部にある樫山越えは
嶺北地方から高知への本街道で
高知へ5時間かかりる一里下り一里で
道も急なため牛も馬もやっとだった。
峠には店やもあって
柴餅や草履、草鞋を売っていて
飯も計りで一合、二合飯と売って
行き暮れると泊まることもあった。
= 土佐町HPより =
◆三辻の森
森に帰ろうか。
眼下の山並が太平洋に下る
この風景もいい眺めだよなぁ。
標高約1100m三辻山の森は
アカガシとブナが並んで生える
暖温帯と冷温帯樹木の混生林で
ここがブナの南限の一つとなる。
樹々がそれぞれ落葉期が違う
日本でも珍しいこの植生は
南国土佐ならではの風景だろう。
◆残雪
「ガチガチやね」
三寒四温と言い寒暖繰り返し
高山は冷たい雨が降り雪も凍る。
私は雪の中で残雪が最も恐ろしい。
人が入らなければ何でもないが
毎年どこかの山で遭難事故が起こり
真冬でも雨が降る四国の高山は
残雪による遭難が後を絶たない。
死んでしまったら
無知では済まされない。
昨今にわかな登山ブームが
私は怖くてしかたがない。
残雪や山に現ずる鬼の面 矢野哥遇